ベンズブロマロン(ユリノーム)の作用機序・服薬指導のポイント

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

尿酸の排泄を促すことで尿酸値を下げるのがベンズブロマロン(商品名:ユリノーム)です。

痛風、高尿酸血症を伴う高血圧症における高尿酸血症の改善に適応があります。

ベンズブロマロンの作用機序、服薬指導でのポイントについてまとめてみました。

作用機序

体の中で作られた尿酸は、腎臓でろ過された後、近位尿細管尿酸トランスポーター(URAT1)によって再吸収されてしまい、足の指や、ひざ、ひじ、手指の関節に尿酸が結晶としてたまることで痛風発作が起こります。

ベンズブロマロンと代謝物である6-ヒドロキシ体は近位尿細管の尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害することで、尿酸の再吸収を抑え、尿酸を排泄させる働きがあります。

併用禁忌薬

ベンズブロマロンに併用禁忌薬はありません。

肝代謝酵素 CYP2C9 によって代謝・阻害作用もあり

ベンズブロマロンはCYP2C9によって代謝され、またCYP2C9を阻害する作用もあります。そのためCYP2C9によって代謝されるワーファリンとは併用注意となっています。

服薬開始6ヶ月間は劇症肝炎など肝機能障害に注意

ベンズブロマロンは服用後半年以内に劇症肝炎など重篤な肝障害が起こることがあります。

薬局でも血液検査の肝機能の経過とともに、食欲不振、悪心・嘔吐、全身倦怠感、腹痛、下痢、発熱、尿濃染、眼球結膜黄染などの有無をチェックしましょう。

服薬指導のポイント

  • 特に服用後半年間は体のダルさ・皮膚や白目が黄色くなる・痒みなどの肝機能のチェック
  • 水分制限がなければ、尿路結石を防ぐために水分を多めに摂取指導(1日の尿量が2Lが目安)
  • 通常は飲み忘れた場合は気づいた時に服用して問題ない(次の服用まで4時間以内の場合はとばす)

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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