最近の医療情報のTVや雑誌でヘリコバクター・ピロリの話題をよく見かけませんか??
これまでは、健康保険によるピロリ菌の除菌対象は胃潰瘍や十二指腸潰瘍などに限られていましたが、適用が拡大され、ピロリ菌感染による慢性胃炎にも保険が適用されることになったという話題です。
1次除菌率はマクロライド耐性菌の増加により60~70%と減少傾向ですが、2次除菌で90~98%の方が成功すると言われています。
こんなケースいかがでしょう?
Aさん 男性 50歳 職業:洋酒輸入販売業
現状:胃カメラから胃炎が見つかりピロリ1次除菌開始するが失敗。
処方内容 ランピオンパック 1シート 朝・夕食後 7日分
患者Aさん 「1次除菌、言われたとおりしっかり飲んだのに除菌できひんかった・・・ これから2次やけど、Drは失敗したら、もう除菌の手段はないって言ってたわ。ずっとピロリ菌と一緒に生きていかなあかんのかいな?? はぁぁぁぁ~~・・(重めのため息)」
このような患者さまに、先生方はどのように対応されますか??薬剤師の対応を考えてみましょう。
・2次除菌の成功率はかなり高い(90~98%)ことを伝え、安心してもらう。
・Drは保険適応での除菌ができなくなると伝えているのでしょう。Aさんは少し勘違いしてるのかもしれません。保険適応外になるが3次除菌についての可能性を伝える。
・職業柄、お酒を飲む機会が多いと考えられるが、ランピオン服用中+2日ほどはアルコール厳禁を伝える。 (フラジールが身体から排出されるまで、単剤服用で約36時間程度かかります。除菌には他の薬も一緒に結構な量を飲むので、それぞれの薬の体外排出も遅延することが考えられます。)
【ワンポイントチェック】
3次除菌に推奨されるレジメンってあるの??
現状は明確に推奨されているレジメンはありません。ただ、専門医中心に3次除菌の検討をされています。
近年、ニューキノロン、特にシタフロキサシン(グレースビット)ベースの除菌療法の報告が多く上がっています。 PPI(プロトンポンプ阻害薬)+AMPC(アモキシシリン水和物)+STFX(シタフロキサシン) ヘリコバクター・ピロリ除菌に関しては、1週間の服薬を忘れずに続けてもらうことが一番重要です。
アドヒアランスの向上に薬剤師の腕の見せ所ではないでしょうか。
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