病院で処方されるビオフェルミンとドラッグストアで買う市販のビオフェルミンSに違いはあるのですか?
医療用のビオフェルミンと市販のビオフェルミンの違いについて薬局で質問を受けるケースがあるかもしれません。
実は医療用のビオフェルミンと市販のビオフェルミンですが、錠剤タイプで配合成分に違いがあります。
また粉タイプでは、まったく有効成分が異なります。
私が薬剤師になるまでは、市販のビオフェルミンと医療用のビオフェルミンはまったく同じものだと思っていましたが、添付文書を見て違いがあったことにびっくりした経験があります。
ちなみに市販のビオフェルミンは「S」の表記がありますが、以前の市販のタイプより「Strong」と「Scale UP」したという意味があるそうです。
医療用のビオフェルミンと市販のビオフェルミンSの違いについてまとめてみました。
まず、錠剤タイプの違いについてまとめていきます。
医療用医薬品のビオフェルミン錠剤の成分は、1錠あたり下記のとおり。
添加物
トウモロコシデンプン、デキストリン、沈降炭酸カルシウム、乳糖水和物、アメ粉、タルク、白糖、ステアリン酸マグネシウムを含有する。
市販のビオフェルミンS錠の成分は1錠あたり下記のとおり。
医療用のビオフェルミンにフェーカリス菌末とアシドフィルス菌末がプラスして配合されています。
添加物
トウモロコシデンプン、デキストリン、乳糖水和物、沈降炭酸カルシウム、アメ粉、白糖、タルク、ステアリン酸マグネシウム
医療用と市販の錠剤タイプでは、添加物はまったく同じですが、有効成分が異なります。
ビフィズス菌は主に大腸にすみつき、乳酸と酢酸をつくり、整腸効果を高め、フェーカリス菌は主に小腸にすみつき、増えて乱れた腸内菌叢を整え、アシドフィルス菌は主に小腸にすみつき、乳酸を多くつくり、有害菌を抑える効果があります。
また市販のビオフェルミンSのそれぞれの成分に「コンク=濃縮した」という表記がありますが、以前の市販のタイプに比べて濃縮したという意味があるだけで、医療用のビフィズス菌とはまったく同じとのことです。
次に粉タイプの違いについてまとめてきます。
医療用ビオフェルミン配合散の成分は1g中に下記のとおり。
添加物
バレイショデンプン、乳糖水和物、沈降炭酸カルシウム、白糖
市販のビオフェルミンS細粒の成分は1g中下記のとおり。
添加物
トウモロコシデンプン、デキストリン、アメ粉、沈降炭酸カルシウム
医療用のビオフェルミン配合散と市販のビオフェルミンS細粒は、有効成分も添加物もまったく異なります。
通常、成人1日3~6錠を3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
ビフィズス菌の一日量は36mg~72mgとなります。
15歳以上は1日3回1回3錠
5~14歳は1日3回1回2錠
5歳未満には服用させないこととなっています。
ビフィズス菌の一日量は12mg~18mgとなります。
通常、成人1日3~9gを3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
15歳以上は1日3回1回1g
5~14歳は1日3回1回2/3g
3ヵ月~4歳は1日3回1回1/3g
3ヵ月未満には服用させないこととなっています。
このように、錠剤では含有成分とビフィズス菌含有量、用法も異なってきます。
一日のビフィズス菌量は医療用の方が2倍~4倍と多くなります。
粉に関しては医療用のビオフェルミン配合散は成分が「ラクトミン」であるため、市販のビオフェルミンS細粒とは全く異なる薬剤になります。
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