劇症1型糖尿病の症例・インスリンの使用例

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インスリン製剤の使用の具体例

健康な人は、基本的には、食事をしなくてもインスリンが出ています(基礎分泌)。

健康な人の生理的インスリン基礎分泌パターンに近づけるために、ベースのインスリンは食べる食べないにかかわらず打ちます。

この方はベースに、時効型溶解製剤ランタスXR注ソロスター(一般名:インスリングラルギン)を、1日2回、朝夕に5単位ずつ使っています。

血糖値の変動の観察により、ベースのインスリン製剤は、医師の判断で変更になることもあります。

健康な人は、食後にインスリンが追加分泌されますが、そのパターンに近づけるため、
この方は、三度の食事と間食の食前に、速効型インスリン製剤ヒューマログミリオペンを使用しています。

この方の場合、食べる炭水化物量と血糖値から、ヒューマログミリオペンの単位は、自分で決めて打っているそうです。

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食事中の炭水化物量(糖質量が食品に併記してある場合は、糖質量)から、カーボというのを計算します。

1カーボが、炭水化物量の何グラムに設定しているかは、病院や医師の考え方により違うようです。
1カーボに対して必要なインスリン単位も、患者や血糖値の目標によって違うようです。

大体の方はこのようにして、ベースの時効型インスリン製剤と、速効型インスリン製剤を組み合わせて、使用しています。

>【次ページ】災害時に冷蔵庫が使用できない場合のインスリンの保管

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平野菜摘子(ひらのなつこ)

薬剤師

昭和大学・薬学部
2歳児、0歳児の母。
埼玉で生まれ、フィリピン、吉祥寺で育つ。
ドラッグストア、調剤薬局で管理薬剤師、派遣薬剤師、パート薬剤師など約10年のフルタイム就労経験あり。
専業主婦も経験。海外文化に興味があり、2011年カナダに1年在住。TOEIC890点取得経験あり。

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