【オブリーン】肥満と肥満症の違いは?

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

近日中に薬価収載予定の肥満症治療薬「オブリーン」。

①消化管や膵臓から分泌される脂肪の分解酵素「リパーゼ」を阻害することで

②消化管からの脂質の吸収を抑制し

③その結果、体重を減少 内臓脂肪を減少させる。

という日本初の作用機序を持った薬剤です。11月19日に薬価収載の予定でしたが、保険適応するかどうかを巡り、追加データを求められているようです。

「オブリーン」の適応は、
肥満症(ただし、2 型糖尿病及び脂質異常症を共に有し、食事療法・運動療法を行ってもBMI が25kg/m2 以上の場合に限る)

となっていますが、肥満症とはどういう状態なのでしょうか?

また肥満と肥満症はどう異なるのでしょうか?

肥満とは体を構成する成分の内、脂肪組織の占める割合が過剰に増加した場合をいいます。
WHOの体格基準である、BMIが25以上の状態を一般的に「肥満」と言われています。

そしてBMIが25以上であり、下記うち1つ以上の健康障害を合併している場合、もしくは合併しない場合でもCTで測定した内臓脂肪面積が100cm以上の場合、「肥満症」と診断されるのです。

肥満診断基準 

すなわち、ただ単に「肥満」状態では「肥満症」という病名がつくことはありません

「肥満症治療薬が発売!!」などとメディアで報道されると、「ダイエット薬」「やせ薬」と勘違いされ健康な方からも相談を受けるケースがあるかと思いますが、肥満症という病気を薬剤師としても理解しておく必要がありそうです。

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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