やけどやおむつかぶれなどに処方される亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏。
薬局では取り違いが多く報告されている薬剤ですので、しっかりと違いを頭に入れておきましょう。
亜鉛華単軟膏も亜鉛華軟膏も効能・効果は下記のとおりで全く同じとなっています。
【効能・効果】
下記皮膚疾患の収れん・消炎・保護・緩和な防腐
外傷、熱傷、凍傷、湿疹、皮膚炎、肛門そう痒症、白癬、面ぽう、せつ、よう(癰)
その他の皮膚疾患によるびらん・潰瘍・湿潤面
亜鉛華軟膏の基剤は白色ワセリンとなっており、吸水性に優れたセスキオレイン酸ソルビタンといった添加物が含まれています。
亜鉛華単軟膏は単軟膏が基剤のため、ベタつきは亜鉛華軟膏に比べて少ないですが、その分、皮膚への密着力が劣ってしまいます。
基剤でみると滲出液の吸収には亜鉛華軟膏の方がより優れていると考えられます。
亜鉛華単軟膏は100g中に酸化亜鉛が10g配合されているのに対して、亜鉛華軟膏は100g中に酸化亜鉛が20g配合されています。
有効成分の酸化亜鉛が亜鉛華単軟膏の2倍入ったものが亜鉛華軟膏になりますが、
例外としてサトウザルベ軟膏は、一般名は亜鉛華単軟膏ですが酸化亜鉛の濃度が10%と20%のものがあります。
亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の使い分けですが、傷口の滲出液が多い場合や、汗によるかぶれがひどい場合は酸化亜鉛の濃度が高く、基剤としても密着力の優れた亜鉛華軟膏の方が適しているでしょう。
長期間使用する場合や傷口がふさがってきた場合、乾燥による痒みが問題になる場合は酸化亜鉛の濃度が低く、ベタつきの少ない亜鉛華単軟膏が適していると考えられます。
亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏は調剤ミスが多く、特に混合の場合は処方箋の薬剤チェックの精度が落ちる傾向にありますので要注意です。
私は何度かヒヤリハットの経験がありました。
亜鉛華軟膏、亜鉛華単軟膏が処方された場合は、「単」があるかないか処方箋にチェックするなどして、調剤ミス防止に繋げてみてはいかがでしょう。
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