中外製薬より販売されている、角化症治療薬のチガソンカプセル(成分名:エトレチナート)にて国内で2例目となる催奇形性が報告されました。
出産202日前(妊娠11週3日)
市販の検査薬にて妊娠反応陽性を確認。本剤の服用中止。
出産201日前(妊娠11週4日)
C院産婦人科受診。出産を望んだが中絶を勧められたため、本人の意思により病院変更。
出産173日前 (妊娠15週4日)
B院皮膚科を訪れ本剤の処方を求めたが、妊娠していたため、処方されず。
本剤の服用中止と対応できる産婦人科で出産又は中絶を行うように患者を指導。
不明日
本人希望により妊娠継続となる。
出産139日前 (妊娠20週3日)
D院受診するも、高リスク出産のため対応不可能とされた。
出産111日前(妊娠24週3日)
C院からNICUがあるE院産婦人科を紹介受診。
出産前日(妊娠40週1日)
予定日超過、羊水過少のため、緊急帝王切開となる可能性があり、A院産婦人科へ転院。
児出生(妊娠40週2日)
誘導分娩を行ったが、モニター上、胎児機能不全の診断にて、緊急帝王切開術を行い、出生した。
出生時、陥没呼吸があり、呼吸状態が安定せず、挿管。その後、状態が安定したため抜管( 約1時間後)。
出生時から、以下を確認
小顎、耳介低位、耳介変形、両肩関節拘縮、肘伸展拘縮、
両母指低形成→母指末節骨欠損、両第1趾 低形成→母趾基節骨以遠の欠損、両母指爪、両足第1趾爪の低形成、右足関節異常、右足部の外反足、左足部の内反足。
この患者さんのケースでは、
出産173日前 B院皮膚科を訪れ本剤の処方を求めたが、妊娠していたため、処方されず。
という情報から、患者さんは催奇形性に対するリスクの意識が低かった事が想定されます。
上記ケースは院外処方か院内処方かは不明ですが、薬剤師が関与し催奇形性への注意喚起を日ごろから行っていれば防げたケースではないでしょうか。
チガソン服用時の注意ポイントを再度確認し、妊娠期に該当する患者さんには注意喚起していきましょう。
女性の場合は、妊娠していないことを確認してチガソン(エトレチナート)を処方することとなっています。服用中と服用終了後も2年間は避妊をしなければいけません。
男性の場合は、服用中、服用終了後6か月間は避妊が必要です。
薬局でも、チガソン(エトレチナート)の催奇形性のリスクを注意喚起することで、今回のような事例を防止できると考えています。
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