オテズラ(アプレミラスト)作用機序・調剤・服薬指導のポイント

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

尋常性乾癬、関節症性乾癬、ベーチェット病の内服治療薬であるアプレミラスト(商品名:オテズラ)。

アプレミラスト(オテズラ)の作用機序や調剤時、服薬指導でのポイントをまとめました。

作用機序

アプレミラストはホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤です。

オテズラ作用機序

乾癬患者の免疫細胞や表皮組織ではPDE4が過剰に発現しており、環状アデノシン1リン酸(cAMP)が低下することで炎症性メディエーターの産生が亢進した状態となっています。

アプレミラストはホスホジエステラーゼ4(PDE4)を阻害。

細胞内のcAMPレベルを上昇させることで、下記のような炎症性サイトカインの産生を制御します。

腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、IL-1β、IL-2、IL-6、IL-8、IL-12、IL-17、IL-23、IFN-γ

これらの炎症性サイトカインの産生を抑えることで角化細胞の活性化・増殖、脈管増生を抑制し、表皮肥厚・乾癬病変を改善させます

スタートの服用

下痢、悪心、嘔吐等の副作用の発現を抑えるためにも、少量からのスタートとなります。

  用法用量
1日目 朝10mg
2日目 朝10mg夕10mg
3日目 朝10mg夕20mg
4日目 朝20mg夕20mg
5日目 朝20mg夕30mg
6日目以降 朝30mg夕30mg

投与開始時はのスターターパックを使用します。

特徴・服薬指導のポイント

  • 主にCYP3A4で代謝
  • ウイルス、細菌、真菌等による重篤な感染症があらわれる可能性があるので注意して観察(重大な副作用0.7%程度)
  • 頻度不明で下痢の副作用あり、水のような便、泥状の便があれば要相談を
  • フィルムコーティング錠のため粉砕半錠の安定性のデータなし
  • 重度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス値が30mL/min未満)は30mg分1などの減量を考慮する
  • 食事の影響をうけない(空腹時・食後でも問題ない)
  • コップ1杯程度の多めの水で服用指導

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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