尋常性ざ瘡(読み方:じんじょうせいざそう)に処方される外用薬がディフェリンゲル(一般名:アダパレン)です。
ディフェリンゲル(アダパレン)の作用機序や、服薬指導でのポイントをまとめました。
皮膚表面をつくる細胞が生まれてから角質になるまでの過程(角化)を調節して毛穴のつまりを改善。
具体的な作用機序は下記のとおり。
以上によって、
といった総皮疹数を減少させます。
具体的な臨床効果ですが、
顔面(前額、両頬、あご)に30個以上の総皮疹がある尋常性ざ瘡患者200例(12歳以上35歳以下)に対して、
1日1回12週間の塗布を実施した臨床試験で、尋常性ざ瘡患者の総皮疹(非炎症性皮疹及び炎症性皮疹)数の減少率は63.2%1)。
となっています。
通常は1日1回洗顔後塗布します。
紫外線にあたると皮膚バリア機能が損なわれ、皮膚刺激感が増す可能性があるため、夜間の塗布が望ましいと考えられます。
ニキビ、その周辺に塗布するように指示されるケースや、顔全体に塗布するように指示されるケースもあります。
顔全体に塗る場合の目安量は大人の人差し指の第一関節まで出した量(ディフェリンゲルの場合1FTU=約0.5g)となっています。
乾燥肌の方へヒルドイド(一般名:ヘパリン類似物質)などの保湿剤が処方されるケースもあります。
ディフェリンゲル(アダパレン)と保湿剤や化粧水を同時に使用する場合は、通常は保湿剤や化粧水を塗ったあとに、ディフェリンゲル(アダパレン)を塗布します。
保湿剤を先に塗ることで、ディフェリンゲル(アダパレン)による刺激感を軽減することにも繋がります。
化膿を伴うざ瘡に処方されるのが抗菌薬の外用薬です。
具体的な薬剤は下記のとおり。
抗菌薬の外用剤とディフェリンゲル(アダパレン)を同時に使用するように指示があった場合は、
通常は、ディフェリンゲル(アダパレン)を塗布した後に抗菌薬を塗布します。
理由は、ディフェリンゲル(アダパレン)は白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビといった化膿をしていないニキビにも広範囲で使用できますが、抗菌薬は通常は化膿を伴うニキビへ塗布するため塗布範囲がディフェリンゲル(アダパレン)より狭くなる可能性があるためです。
先に抗菌薬を塗ってしまうと、ディフェリンゲル(アダパレン)によって抗菌薬が広げられてしまいますからね。
以上から、特別に医師から指示がない場合は、
の順番となります。
参考資料
1)ディフェリンゲルインタビューフォーム
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