1ftu(フィンガーチップユニット)とは?チューブによって量が変わる落とし穴

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

こんにちは。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」の伊川勇樹です。

ステロイド薬の服薬指導で

患者さんから

「どれくらいの量を塗ればいいの?」

と聞かれたときに目安となるのが1FTU=ワンフィンガーチップユニットです。

1ftuとは?何グラム?

「この軟膏は成人の一指し指の先から第一関節の長さまで出した量で、成人の手のひら2枚分に塗る事ができます。」

皮膚科の処方せんを持ってこられた患者さんに説明した経験もあるのではないでしょうか。

これは、日本皮膚科学会「ステロイド外用薬外用量の指針」でも提唱されている1ftu(フィンガー チップ ユニット)という考え方であります。

1FTU(フィンガーチップユニット)は約0.5gと言われています。

0.5gで手のひら2枚分。

これが目安と言われています。

チューブの口経により量が変わる

しかし、チューブの口径によって1FTUの量が変動します。

日本ではこの口径について省略されているため、どのチューブでも1FTUは0.5gになると誤解されているのです。
実際には、1FTUは5gチューブでは0.2g程度、10gチューブでは0.3g程度です。

1FTU=0.5gになるのは25g程度のチューブとなります(1)

すなわち、通常の1FTUで0.5gとなるのはヒルドイドソフト軟膏25gなどの25gチューブになるのです。

出口径5mmのもので1FTUが0.5gといわれています。

ルリコンクリーム10gの場合は、人差し指の第一関節よりやや多く出した量が0.5gに相当し、片足全体に使用できる量とされています。

外用剤の塗布方法は主治医によって異なりますので、Drから指示を受けているかの確認は不可欠となりますが、1FTUはチューブの口径よって変動するということは押さえておきましょう。

(1)参考文献 
大谷道輝:アトピー性皮膚炎治療ガイドラインの改訂  

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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