尖圭コンジローマ治療薬であるベセルナクリーム(成分名イミキモド)。
従来は外科的治療がメインでありましたが、国内の二重盲検試験ではイミキモド5%クリーム外用による尖圭コンジローマの完全消失率は63.6%、90%消失率は76.4%ということもあり、効果が期待できることから処方を見る機会が増えています。
ベセルナ(イミキモド)の作用記事・特徴についてまとめてみました。
尖圭コンジローマは、ヒト乳頭腫ウイルスであるHPV※-6 又は HPV-11が感染することで発症します。
※ HPV=human papillomavirus
ベセルナ(イミキモド)はこられのウイルスに対して「ウイルス増殖抑制作用」と「ウイルス感染細胞障害作用」の2つの働きがあります。
皮膚には「単球」や異物を監視する「樹状細胞」が存在しており、ベセルナ(イミキモド)はこの単球や樹状細胞に作用し、IFN-αを産生することでウイルスの増殖を抑制します。
具体的な薬理作用としては、単球や樹状細胞のトール様受容体(Toll-like receptor:TLR)-7のアゴニストとして働くことでIFN-αを産生します。
また同時にNK細胞やキラーT細胞を賦活化し(細胞性免疫応答)、ウイルス感染細胞を障害するとされています。
ベセルナ(イミキモド)は尖圭コンジローマだけでなく、日光角化症の適応もとっています。
日光角化症では、長期間による紫外線の曝露によって、皮膚角化細胞の DNA 損傷が増え、また損傷細胞に対する免疫応答が低下している状態になっています。
ベセルナ(イミキモド)による細胞性免疫応答の賦活化やアポトーシス促進により日光角化症病変の消退に寄与すると考えられています。
週3回、就寝前に塗布し、6~10時間後に石鹸で洗い流す。
・疣贅(ゆうぜい)に薄く塗り、クリームが見えなくなるまですり込むこと。
・使用期間は原則として16週間までとすること。
治療部位に適量を1日1回、週3回、就寝前に塗布する。
塗布後はそのままの状態を保ち、起床後に塗布した薬剤を石鹸を用い、水又は温水で洗い流す(塗布後約 8 時間を目安)。
4週間塗布後、4週間休薬し、病変が消失した場合は終了とし、効果不十分の場合はさらに4週間塗布する。
製造販売後の使用成績調査では2,468例中552例(22.4%)に副作用が認められています。
その主なものは紅斑(9.2%)、びらん(8.6%)、表皮剥離(0.8%)等の塗布部位の皮膚障害及び疼痛 (2.2%)、刺激感(1.3%)、瘙痒感(1.1%)等、塗布部位での副作用であったとのことです。
国内臨床試験にて週3回本剤を使用した63例中、57例(90.5%)に副作用が報告されており、主に紅斑(68.3%)、痂皮(57.1%)、浮腫(46.0%)、落屑/乾燥(44.4%)、びらん/潰瘍(44.4%)、湿潤/滲出(39.7%)等の塗布部位の皮膚障害及び瘙痒感(27.0%)等となっています。
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