爪白癬治療薬は従来、イトラコナゾールやテルビナフィンの内服薬がスタンダードでしたが、肝臓への副作用や薬物相互作用が多いことが問題でもありました。
このような肝臓への負担や薬物相互作用を気にすることなく処方できるのが爪白癬治療の適応を取得した「外用剤」です。
爪白癬治療薬の外用剤であるルコナック液5%(成分名:ルリコナゾール)について作用機序・特徴をまとめてみました。
ルコナック(ルリコナゾール)は真菌細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの生合成を阻害することで効果を発揮します。
エルゴステロールの生成経路
アセチルCoA
↓
メバロン酸
↓
スクアレン
↓
ラノステロール
↓
エルゴステロール
上記の赤字の部分、ラノステロールを変換する酵素であるラノステロール-14-α-デメチラーゼを阻害することで最終的にエルゴステロールが生成されるのを抑えます。
またエルゴステロールはヒトの細胞には存在しないため、ヒトの細胞を傷つけないのが特徴です。
ルリコンクリーム、ルリコン液、ルリコン軟膏はそれぞれルリコナゾールを1%を含有するのに対して、ルコナック外用液はルリコナゾールを5%を含有します。またこれらの中で爪白癬に適応があるのはルクナック外用液のみとなります。
ルリコンクリームとルコナックの透過性の試験データをみてみましょう。
Franz型セルを用いて、ヒト皮膚に本剤及びルリコナゾールクリーム1%を単回塗布したときのレセプター液中のルリコナゾール濃度を測定し、皮膚透過性を確認した。 本剤塗布後24時間における累積透過量は、ルリコナゾールクリーム1%の約4.2倍であった。
引用元:ルコナック爪外用液5%
このように、爪への透過性を高め、また貯留性も高めたのが、ルコナック外用液です。
ルコナック外用液は塗布後、爪表面から爪深部までの爪全層に分布し、爪深部のルリコナゾール濃度は皮膚糸状菌のMICを上回ることが確認されています。
以上、ルコナックのポイントをまとめてみました。
少しでも服薬指導の際に役立てれば幸いです。
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