エフィエント錠(プラスグレル塩酸塩)の作用機序は??

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

第一三共からの大型新薬として期待される抗血小板剤がエフィエント錠プラスグレル塩酸塩)です。

同じ作用機序を持つ薬剤としてプラビックス錠(クロピドグレル)があり、エフィエント錠(プラスグレル塩酸塩)と共にチエノピリジン系薬物に分類されます。

作用機序は?

血小板細胞のADP受容体に作用し、血小板凝集を促進させるシグナル伝達を抑制し、抗血小板作用を示します。

ADP受容体って何?

ADP=アデノシンニリン酸

血小板から放出される、アデノシンニリン酸(ADP)は、血小板の細胞膜にあるP2Y12受容体を介してさらなる血小板凝集をひき起こします。

プラスグレルやクロピドクレルは、ADPのP2Y12受容体への結合を阻害し、血小板の凝集と血栓の形成を抑制します。

プラビックスとエフィエントはどっちが強力?

チエノピリジン系薬物が作用するためには、代謝されて活性型に変換される必要があります。

エフィエント(プラスグレル)はプラビックス(クロピドクレル)よりも活性代謝物への変換効率が高く、ADP受容体への阻害と虚血性イベントの抑制が強力だとされています。

投与量は?

投与開始日に20mg、その後は維持用量として3.75mgを経口投与します。

薬剤師はハイリスク薬として要指導を!

薬剤師としてはハイリスク薬として副作用のチェックを!

抗血小板薬は出血リスクが伴うことから、普段から患者さんの変化をチェックしましょう。
歯磨き時の口からの出血や、打ち身等の内出血の有無特に高齢者では気づかないところで症状が起きていることもあるので普段からのチェックが必要です。

エフィエントの国内第3相試験(PRASFIT-Elective試験)の結果によると、安全性の評価項目である大出血、小出血および臨床的に重要な出血については、エフィエント(プラスグレル群)で5.4%、プラビックス(クロピドグレル群)で6.2%でした。

両剤に安全性の差はないというデータですが、両剤とも服用する限り出血リスクはあることを患者さんに理解してもらいましょう。その上、リスクとベネフィットを話せるとより理解は深まると思います。 

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

記事作成のサイトポリシーについてはコチラ

この投稿者の最近の記事

「伊川勇樹」のすべての投稿記事を見る>>

コメント欄ご利用についてのお願い

  • 薬剤師、薬学生、調剤事務、医師、看護師といった医療に携わる方が使用できるコメント欄となります。
  • 「薬剤師の集合知」となるサイトを目指していますので、補足・不備などございましたらお気軽に記入いただけると幸いです。
  • コメントの公開は運営者の承認制となっており「他のユーザーにとって有益な情報となる」と判断した場合にのみ行われます。
  • 記事に対する質問は内容によってお答えできないケースがございます。
  • 一般消費者からの薬学、医学に関する相談や質問は受けつけておりません。

※コメントはサイト管理者の承認後に公開されます

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」のFacebookページに「いいね!」をすると、薬剤師が現場で活躍するために役立つ情報を受け取ることができます。ぜひ「いいね!」をよろしくお願いします。

お客様により安全にご利用いただけるように、SSLでの暗号化通信で秘匿性を高めています。

ページトップに戻る