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【一般名】オセルタミビルリン酸塩カプセル75mg(商品名:タミフル)
1日1回 朝食後 1日分
50代 女性にこのようなタミフルが1日分処方されている場合、薬剤師は患者さんにどのようなことを確認するでしょうか。
実際に私が処方箋を受け付けた事例で、私は迷わず
「処方日数が1日分の単回投与で間違いないか」
処方元に疑義照会をかけてしまいました。
処方元からは
「透析患者なのでタミフルは単回投与でお願いします」
とのことでした。
実はこの患者さんは透析患者さんで、日本透析医会・日本透析医学会ガイドラインで透析患者がインフルエンザ発症時、タミフルの用法・用量は1日75mgの単回投与が推奨されています。
透析患者へのオセルタミビル(タミフル)の投与量は添付文書にも記載がないため、知っていなければ疑義照会をかけて医療機関や患者さんにもご迷惑をかけてしまいます。(まさに私がソレでした。)
ぜひ初めて知る方は参考にしていただけると幸いです。
添付文書では、腎障害時のタミフルの投与は下記のような記載があります。
クレアチニンクリアランス | 投与量 |
Ccr>30 | 1回75mg 1日2回 5日 |
10<Ccr≦30 | 1回75mg 1日1回 5日 |
Ccr≦10 | 推奨用量は確立されていない |
このように透析患者へは明確な投与量が示されていません。
日本透析医会・日本透析医学会ガイドラインによると、透析患者がインフルエンザを発症した際、オセルタミビルの投与量は下記のように推奨されています。
【治療】
インフルエンザを発症時には、オセルタミビル1カプセル単回投与を行います。
5日後症状が残っていた場合には、もう1回投与します。
【予防】
インフルエンザを発症した患者に接触した透析患者さんに対する予防投与は、オセルタミビル1カプセル1回内服し、5日後もう1回1カプセルを内服します。
ちなみに海外では30mgの規格が存在し、血液透析中の方にはインフルエンザの確定診断後に30mgを服用させ、その後は血液透析後に30mgを投与(トータル5日以内)が添付文書に記載があるようです。
オセルタミビルの単回投与の処方箋を受けた場合は、患者さんが透析中がどうかの確認をし、透析中であれば疑義照会をしないように注意しなければいけません。
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