ワーファリンからDOAC(NOAC)への切り替え・変更

こんにちは、メディカルライターの今井雄基です。

子育ての最中ですが、子育てと勉強会への参加の両立は難しいですね。

今回はワーファリンからDOAC(Direct Oral AntiCoagulant)への切り替えと、その逆のDOACからワーファリンへの切り替えの方法についてまとめました。

皆さんご存知の通り、ワーファリンは患者さんの服薬状況や食事内容、併用薬、肝機能によって血中濃度が変化しやすい薬です。
そのため病院では定期的に血液検査でPT-INRTTトロンボテストを測って増量や減量をします。

PT-INRの基準値は患者さん個々の病態や年齢、脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)の既往の有無、糖尿病や高血圧などの合併症の有無などによって異なるためここでは触れません。

1.25錠や1.75錠などの処方もあるため調剤時に手間がかかり、なおかつ0.5mgと5mgの取り違えの医療事故も起こったことのあるハイリスク薬でもあるため調剤に気を使いますよね。

そんなワーファリンからDOACへの切り替え、またはその逆なので、患者さんの状態を薬局でもしっかりと確認して慎重に行う必要があります。

添付文書をもとにそれぞれの切り替え方法についてまとめました。

ワーファリンからDOACへの切り替え・変更

ワーファリンからDOACに切り替える場合、通常はPT-INRの結果に応じて中止の日数を検討し、PT-INRが下限値以下になってからDOACを開始します。

ワーファリンの消失半減期t1/2)は55時間(5mg)〜133時間(0.5mg)となっており、
ワーファリン1mgの半減期は約100時間なので、ワーファリン1mg投与時に完全に体内から消失するためには100時間×5→約21日かかります。

何日中止するかは患者さんの状態によるので、血液検査の結果を見ての判断となります。
患者さんが中止日数を病院で聞いていなければ必ず疑義照会をして医師に確認しましょう。

ワルファリンからプラザキサ(ダビガトラン)への切り替え

ビタミンK拮抗薬(ワルファリン)からプラザキサへ切り替える際には、ビタミンK拮抗薬を投与中止し、PT-INRが2.0未満になれば投与可能である。

引用元 プラザキサ添付文書

ワルファリンからイグザレルト(リバーロキサバン)への切り替え

ワルファリンからイグザレルトに切り替える必要がある場合は,ワルファリンの投与を中止した後,PT-INR等,血液凝固能検査を実施し,治療域の下限以下になったことを確認した後,可及的速やかに本剤の投与を開始すること。

引用元 イグザレルト添付文書

ワルファリンからエリキュース(アピキサバン)への切り替え

ビタミンK拮抗剤(ワルファリン)からエリキュースへ切り替える際には、ビタミンK拮抗剤の投与を中止し、PT-INRが非弁膜症性心房細動患者では2.0未満、静脈血栓塞栓症患者では治療域の下限未満となってから本剤の投与を開始すること。

引用元 エリキュース添付文書

ワルファリンからリクシアナ(エドキサバン)への切り替え

ワルファリンからリクシアナに切り替える場合は、ワルファリンの投与を中止した後、PT-INR等、血液凝固能検査を実施し、治療域の下限以下になったことを確認した後、可及的速やかに本剤の投与を開始すること。

引用元 リクシアナ添付文書

DOACからワーファリンの切り替え・変更

DOACからワーファリンに切り替える場合は基本的にワーファリンとDOACを併用して、PT-INRが下限を超えたらDOACを中止します。

DOACは全て消失半減期が短く、中止してしまうと血中濃度が維持できず、抗凝固作用がなくなってしまうためです。

ただし、腎機能障害がある患者さんの場合はDOACの排泄が延長している可能性が高いため、処方日数を短くしてもらうか、途中で受診して血液検査をしてもらうようにした方が大出血のリスクを回避できるでしょう。

イグザレルト(リバーロキサバン)からワルファリンの切り替え

イグザレルトからワルファリンへの切り替え時において抗凝固作用が不十分になる可能性が示唆されているので,抗凝固作用が維持されるよう注意し,PT-INR等,血液凝固能検査の値が治療域の下限を超えるまでは,ワルファリンと本剤を併用すること。なお,本剤の投与終了後24時間経過するまでは,PT-INRはワルファリンの抗凝固作用を正確に反映しない。

引用元 イグザレルト添付文書

エリキュース(アピキサバン)からワルファリンへの切り替え

エリキュースからビタミンK拮抗剤(ワルファリン)に切り替える際には、PT-INRが治療域の下限を超えるまでは、本剤とワルファリンを併用すること。

引用元 エリキュース 添付文書

リクシアナ(エドキサバン)からワルファリンへの切り替え

リクシアナからワルファリンに切り替える場合は、抗凝固作用が維持されるよう注意し、PT-INRが治療域の下限を超えるまでは、本剤30mgを投与している患者では15mg 1日1回とワルファリン、60mgを投与している患者では30mg 1日1回とワルファリンを併用投与すること。
もしくは、本剤の投与終了後、PT-INRが治療域の下限を超えるまでは、ワルファリンと非経口抗凝固剤(ヘパリン等)を併用投与すること。なお、本剤の投与終了後24時間を経過するまでは、PT-INRはワルファリンの抗凝固作用を正確に反映しないため、PT-INRは本剤の次回投与直前に測定する必要がある。

引用元 リクシアナ添付文書

このように基本的には切り替えについてDOACの添付文書に記載があるので、それを参考にしていただくのが良いと考えられます。

日本の添付文書ではプラザキサからワーファリンへの変更について記載がありませんが、米国の添付文書での切り替え方法をピックアップいたします。

Converting  to Warfarin

When converting from PRADAXA to warfarin, adjust the starting time of warfarin based on creatinine clearance as follows:

•For CrCl ≥50 mL/min, start warfarin 3 days before discontinuing PRADAXA.
•For CrCl 30-50 mL/min, start warfarin 2 days before discontinuing PRADAXA.
•For CrCl 15-30 mL/min, start warfarin 1 day before discontinuing PRADAXA.
•For CrCl <15 mL/min, no recommendations can be made.

Because PRADAXA can increase INR, the INR will better reflect warfarin’s effect only after PRADAXA has been stopped for at least 2 days

以上を参考に、急に変更の処方が来た際にも慌てず対処しましょう。

この記事を書いた人

今井雄基

今井雄基(いまいゆうき)

株式会社倉敷健康企画
管理薬剤師 認定実務実習指導薬剤師
岡山県出身

薬局HP:http://www.niji-ph.com/index.html

実習先の薬局で在宅医療に興味を持ちそのまま就職、2009年より現職。
調剤、在宅医療、OTCなど地域密着薬局での経験を元に現場に役立つ情報を発信してまいります。

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