心筋梗塞や脳血栓などの血栓症に処方される経口抗凝固薬がワルファリンカリウム(商品名:ワーファリン)です。
ワルファリンが処方される患者さんに特に注意すべきなのは「薬物相互作用」です。
ワルファリンと併用禁忌の薬剤とその理由についてまとめてみました。
骨粗鬆症治療薬のビタミンK2製剤メナテトレノンとワルファリンの併用はワルファリンの効果を減弱させるため併用禁忌となっています。
メナテトレノンがのビタミンK依存性凝固因子の生合成阻害作用と拮抗することが理由とされています。
併用があった場合は、基本的にワルファリンの治療を優先し、ビタミンK2製剤の投与を中止します。
関節リウマチ治療薬のイグラチモド(商品名ケアラム、コルベット)とワルファリンとの併用はワルファリンの効果を増強するため併用禁忌となっています。
なお、機序は不明となっています。
併用があった場合は、ワルファリンの治療を必要とする場合はワルファリンを優先し、イグラチモドの投与を中止します。
抗真菌薬のミコナゾール(商品名:フロリードゲル、フロリードF注)とワルファリンの併用はワルファリンの効果を増強するため併用禁忌となっています。
ミコナゾールはCYP2c9とCYP3A4を強力に阻害します。ワルファリンの代謝酵素は主にCYP3A4やCYP2c9が関与します。
もともとは慎重投与でしたが、出血時間の延長やINR上昇が報告されたことから2016年に併用禁忌と改訂されました。
ミコナゾール入りのクリーム(フロリードDクリーム)や膣錠(フロリード膣坐剤)は併用注意とされています。
併用があった場合は、ワルファリンの治療が必要な場合、ワルファリンを優先し、ミコナゾールの投与を中止しなければいけません。
多くの抗真菌剤がワルファリンの作用を増強させるため「併用注意」となっています。
添付文書で併用注意となっている抗真菌薬の一覧です。
併用禁忌ではありませんが、SU剤とワルファリンを併用する場合、ワルファリンとSU剤の作用を増強する可能性があるため併用注意となっています。
SU剤がワルファリンの肝代謝酵素を阻害、ワルファリンがSU剤の肝代謝を阻害するためです。
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