静菌性のテトラサイクリン系抗菌薬は抗菌スペクトルは広いですが、問題となるのが耐性菌です。
特に耐性の少ないドキシサイクリン(商品名:ビブラマイシン)やミノサイクリン(商品名:ミノマイシン)は日本皮膚科学会にてざ瘡(ニキビ)への推奨度が高いことからも、皮膚科領域で処方される頻度の高い薬剤です。
テトラサイクリン系の抗菌薬と作用機序、特徴、服薬指導でのポイントをまとめました。
一般名 略号 |
商品名 | 規格 |
---|---|---|
テトラサイクリン塩酸塩 TC |
アクロマイシン | 末 Vカプセル50,250mg 軟膏3% |
デメチルクロルテトラサイクリン塩酸塩 DMCTC |
レダマイシン | カプセル150mg |
ドキシサイクリン塩酸塩水和物 DOXY |
ビブラマイシン | 錠50,100mg |
ミノサイクリン塩酸塩 MINO |
ミノマイシン | 錠50,100mg カプセル50,100mg 顆粒2% 点滴静注 |
チゲサイクリン TGC |
タイガシル | 点滴静注 |
オキシテトラサイクリン塩酸塩 OTC |
テラマイシン | 軟膏3% |
テトラサイクリン系抗菌薬は細菌のタンパク質合成を阻害することで抗菌作用を示します。
mRNAから蛋白質への翻訳は、リボソームとアミノアシルtRNAが結合することで行われます。
テトラサイクリン系抗菌薬はリボソームの30Sユニットに結合することで、リボソームがアミノアシルtRNAに結合するのを防ぎ、細菌の蛋白質の合成を阻止します。
動物のリボソームには作用せず、細菌のリボソーム30Sユニットに特異的に作用するのが特徴です。
テトラサイクリン系抗菌薬はカルシウムやマグネシウム、鉄などの2価、3価の金属イオンと結合しキレートを形成してしまいます。
そのため服用間隔は2〜4時間あけなければいけません。
テトラサイクリン系抗菌薬で問題となるのが、歯牙の着色・エナメル質形成不全、一過性の骨発育不全といった「歯」への影響です。
そのため8歳未満の歯牙形成期の小児には他の薬剤が使用できない、無効の場合にのみ適用することとされています。
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