こんにちは。
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」編集長の伊川です。
薬剤師=高給取り
一般的にそのようなイメージを持たれる傾向にあると思いますが、薬剤師、薬学生の皆さんは果たして薬剤師の給料に対してどのようなイメージを持たれているでしょうか?
私が生まれ育った愛媛県では薬局経営者の羽振りがよかったためか、薬学生のころは薬剤師になれば年収1000万くらいにはなるだろうとイメージしていました。
しかし、実際に薬剤師となり社会にでるとそう現実は甘くないですね。
製薬メーカー、薬局経営者、薬学部の教授などは比較的年収は高いと思いますが、調剤薬局の勤務薬剤師に限定して言えば、決して高い年収ではないように思います。
では、なぜ薬局薬剤師が年収1000万円プレーヤーになれないのか、経営的な視点から解説していきたいと思います。
日本では1人薬剤師あたり1日の取り扱い処方箋40枚という制限があります。(耳鼻科、眼科では2/3枚でカウント)
月間稼働日数を22日として、1日40枚処方箋を受け付けた場合、厚生労働省が発表する平均の数値(技術料 薬剤料)から月の粗利益を計算すると234万円になります。
1日40枚処方箋受付した場合の店舗の利益
40枚×22日×(技術料2169円+薬価差益497円)=234万円
(平成24年度処方箋1枚当たり平均より算出 技術料2169円 薬剤料6217円 ※薬価差益8%と仮定)
月の利益が234万円として、仮に1人薬剤師、1人事務さんで薬局を運営した場合、トータルの給与はいくらまでなら出せるのでしょうか?
もちろん家賃などによって変わってくるのですが、一般的には生み出す付加価値(利益)は総給与の3倍が望ましいと言われています。
すなわち、1日40枚で月234万円の利益の場合、払えるトータルの給与は1/3の78万円(薬剤師+事務)となるのです。
事務さんの月給を15万円としても、薬剤師の月給は63万円、年収では756万円にしかなりません。このように40枚ルールがある限り、勤務薬局薬剤師で年収1000万円を狙うのはほぼ不可能と言えるでしょう。
経営的な視点でみた場合、1人薬剤師で1日40枚のルールがある限り、年収1000万円は不可能と述べましたが、実際に僕の周りには何人か年収1000万円に達している薬局薬剤師さんは存在します。
どのような方かといいますと、
・開局薬剤師
・子会社の雇われ社長になっている薬剤師
・現場兼、施設営業など行い、処方箋枚数を増やす薬剤師
・地方での管理薬剤師+休日診療所とのかけもち
このように開局薬剤師でない雇われ薬剤師の場合でも、年収1000万に達するケースはありますが、僕が知る限り相当な努力をされたり、圧倒的な人望があったり、営業スキル(処方箋枚数を増やすスキル)があったり、プライベートの時間をほとんど取らず調剤に励んだり・・・、突出した才能や努力が必要になってきます。
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