━ お二人からはエネルギーがとっても伝わってきます。今後の野望はありますか?
短期的なビジョンとしては、これまで通り広報活動を通して弊社のアピールはもちろんのこと、沖縄に薬剤師を増やしていきたいですね。しかし増やすことだけでなく、離職を防がなくてはなりません。
社外だけでなく社内に対しても、自社らしさを育み、りんご薬局のブランドを高めていきアピールしていくことが大事だと考えています。具体的には、ワークライフバランスやダイバーシティの推進に取り組み、社内を活性化して働きやすく、働きがいのある職場を作ることです。
特に、ワーキングマザー(ママさん薬剤師)の雇用を進めていきたいです。
多様性のある人々が働きやすい環境を整えることは、会社にとってのメリットが大きいと思います。
もちろん時短のような働きやすさも大事ですが、会社の滞在時間だけでしかその人を判断できない制度では、育児中のママさん薬剤師はいつまでたっても再就職が難しいと思います。滞在時間ではなく、働きがいのある仕事の中身や質を提供できる環境作りも大事だと考えています。
中長期的なビジョンとしては、妻が宅建を取りました。宅地建物取引士という資格です。
調剤薬局は、調剤や健康相談といった通常業務以外にも、新たに出店するために土地や建物の売買や賃貸、賃貸している店舗の更新手続きといった不動産の取引があります。
りんご薬局グループも店舗数を増やす際、このような取引が行われています。
その取引を外部の不動産業者に頼むと、手数料を払わなければなりません。それを自社で不動産取引もできれば抑えることもできます。このような不動産業務が経験できて会社の役に立てれば幸いですね。
これからも薬剤師という職務を通して、働きがい・生きがいを自ら創造してワークライフバランスを上手に取りながら心豊かな「クオリティー・オブ・ライフ(QOL)」をこれからも発信していけたらと考えています。
━ お二人のように沖縄へ移住したい薬剤師さんに何かアドバイスはありますか?
リクルートの仕事を通して感じることは、やはり、都会の方が人気です。なにしろ住みやすく便利が良いですからね。
沖縄と一言で言いますが、那覇市のような都会もあれば、南部、北部のような田舎の地域もあり移動には車が必須でコンビニが近くにない、と言う環境は一度都会の便利さを味わった方には辛く感じるはずです。
仕事内容も田舎に行けば行くほど、常に同じ患者様が来るという特徴があるので「コミュニケーション能力」が必須です。つまり、その地域に馴染む努力が必要となります。
現在、管理薬剤師として働いている糸満店は、沖縄県の南部にありとても田舎です。患者様から「薬局で薬をもらうだけでなく、一緒にサーフィンなどもしたいね」と私生活でも関わっていくこともあります。
妻は「たえちゃん、たえちゃん」と患者様からとても好かれており、地域に馴染むとこんなに仕事がし易くなるんだと肌で感じます。時間に追われて仕事をしていた時と比べ、一人一人患者様にじっくり向き合うことができています。
また、沖縄の医療が遅れているとは思いません。もちろん、高度先端医療とまでは言いませんが沖縄本島は、離島からのドクターヘリを受け入れています。命の地域格差を無くしたいという思いは強く、ここ本島で医療が完結します。
日の出が遅く、日の入りも遅い沖縄では、1日が長く時間がゆっくりと流れています。
仕事をして生活の糧を得るのではなく、人生の時間を切り売りして生きる生活にとって時間はとても貴重な資源です。
ところが、沖縄には、本土のような時間感覚がありません。
私も移住した当初、時間の使い方がとても非効率な沖縄に対してイライラしていました。例えば、30分で終わる会議なのにゆんたく(おしゃべり)ばかり、ゆんたくは回り回って延々と続き、2時間かかることもしばしば。
しかし、時間は概念であって、時間の奴隷になってはいけないように思います。私が福岡で暮らしていた頃、時間がいくらあっても足りませんでした。
仕事から帰っては、寝るだけの生活でした。家族と過ごす時間や趣味の時間を削って仕事をし週末になれば、日頃の睡眠不足を補うために丸一日寝て過ごす生活です。
一方、沖縄では最初は、戸惑うかもしれませんが、沖縄の生活に慣れると人に合わせた生活ではなく、一人一人その人、個人の心地よいリズムで生活を送ることが出来ます。
人生80年時代を迎える今、その人生もただ長いだけでなく、人生に対する価値観や生き方の価値をどのように置き、仕事も余暇も充実している豊かな人生であることが大切だと思います。
では、豊かな人生って一体なんでしょう。
私達夫婦のように、朝からサーフィンをして仕事をする生活かもしれません。それとも職種や地位や収入が優位な方かもしれません。
人生=考え方✕熱意✕能力
京セラの創業者、稲盛和夫さんの言葉を借りると、人生には方程式があるそうです
人生をプロデュースするのは、他でもない自分です。そして家族です。どのような生活を送りながら生きていくかということが軸になると思います。そして、何よりも大切なのは、考え方です。
例えば、「どうせ自分には無理だから」「今は忙しいから後にしよう」など人生に不満がある人は”考え方”がマイナスになっています。”熱意”と”能力”がどんなに飛び抜けてても、結果はマイナスです。
私達夫婦が心地よく、考え方がプラスになり、心が豊かであるにはどのようにするべきか選んだ結果、それは沖縄移住でした。仕事の手応えや、やりがいは後についてきたものでした。
そして、上の方程式は仕事にも当てはまります。
”仕事の結果=考え方✕熱意✕能力”
”考え方”がプラス思考の社長と話すと掛け算のように話が膨らみドキドキ、ワクワクします。”熱意”はこの通り100、”能力”がマイナスではないとすると、自然と仕事の結果はプラスになります。
このように私のポテンシャルを伸ばしてくれるりんご薬局グループの社長に惚れて、ここにいます。
親は選べませんが、付いて行く上司や社長、会社は自分で選べます。好きな人と一緒にする仕事は最高にやりがいを感じます。
なので働くことにおいて、その場所はあまり関係ないと思います。たまたま、海が好きで、サーフィンがしたいという理由で移住した沖縄、人生楽しくなくちゃ!とプラスに考えて移住した結果です。
結局は、どんな会社でどんな仲間と何をするかであり、本土であろうと沖縄であろうと油断をすれば毎日があっという間にすぎていきます。
”人生=考え方✕熱意✕能力”
考え方も、熱意も、能力も、どれか一つでもマイナスであれば人生は味気ないものになってしまいます。だからこそ、仕事も余暇も充実している豊かな人生であるべきだと思います。
これから、薬剤師もクリエイティブに仕事を行う時代です。
同じように志を持っている人はウェルカムです。
━ ありがとうございました!
━ インタビューを終えて
取材させていただいた、りんご調剤薬局糸満店は一歩外に出るとあたり一面にはサトウキビ畑やスカイブルーの海。大阪でコンクリートに囲まれた生活をしている私にとっては、心地よい時間が流れていきました。
また薬局の周辺を案内いただいた際に医療機関のスタッフさんや患者さんから笑顔で挨拶されたり、話かけられる様子からも地域に愛される様子が伝わってまいりました。
厚生労働省の統計によると、全国で人口10万人あたりの薬剤師数が最も少ないのが沖縄県。お二人のシンプルライフスタイルが伝われば、もっと沖縄県の薬剤師人口も増え、沖縄の薬局業界も活性化すると感じました。
藤井晶浩・多恵子先生、ありがとうございました!
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