こんにちは。
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」の伊川です。
若手の薬剤師さんや薬学生にワクワクを与えたいと思いスタートさせた「輝く薬剤師さんのインタビュー企画」
今回は福岡から沖縄へ夫婦で移住(Iターン)され、現在は沖縄を中心に地域密着展開されるりんご薬局グループで薬剤師兼広報を担当される藤井晶浩・多恵子先生を直撃しました。
「薬学部のない沖縄に薬剤師を増やすことで医療に貢献したい」と意気込む藤井夫妻。
お二人が沖縄へ移住したきっかけや、沖縄で働くこと、沖縄でのシンプルライフスタイルについてお話を聞いていると、
「働くこととは?」
「時間とは?」
「そもそも人生とは?」
自分自身を見つめ直すきっかけになるように思います。
特に「都会の生活に少し疲れた・・」「毎日が時間に追われている・・」という方には、胸に刺さるメッセージがたくさん詰まったインタビューになっています。
それでは、まいりますね!!
━ 現在はどのような活動をされているのですか?
沖縄県と熊本県に18店舗を展開する「りんご薬局グループ」糸満店を夫婦で一店舗任せてもらい、日常の薬局業務に携わりながら、本社の広報宣伝部を兼任しています。沖縄でも有名な精神科病棟の門前で、日々アルコール外来及び精神疾患を中心とした薬剤師業務に携わっています。
━ 広報宣伝部のある薬局はめずらしいと思うのですが具体的にどのような活動をされているのですか?
主にTVCMやホームページ作成、薬剤師の新卒採用などのリクルート活動を行っています。沖縄県には薬学部がなく、慢性的な薬剤師不足のため移住者である私たちが沖縄の魅力について伝える活動を行っています。
年に一度、新卒薬剤師を対象に沖縄無料見学ツアーを計画し、沖縄の薬局、病院を見学し、沖縄で働いてる薬剤師との交流会を内容としてます。今年は薬学ゼミナール“青本”さんと一緒に沖縄見学ツアーを開催しました。
通常の薬剤師業務だけでなく、りんご薬局グループの認知度を高めるための広報活動は、多くの出会いがあるので大きな成長につながりますね。
━ 福岡から沖縄への移住のきっかけは何だったのでしょう?
長寿の島・沖縄の医療をみてみたい
新人薬剤師の頃は福岡で、多忙な業務に追われる日々をおくっていました。
薬剤師は、かなり安定した職業だと思われている傾向があると思います。「薬剤師業務」に専念していれば、「このまま福岡に暮らすことも悪くないな」と考えていました。
そして、ただ、もくもくと毎日毎日「薬剤師業務」に専念していました。「生きるために働く」なんて大げさな言い方ですが、
「いったい何のために働いているんだろう・・・」
と感じてしまうことも少なくありませんでした。 しかも日に日に、その考えが強くなり、年を追うごとに、心の穴が大きくなっていきました。
「夢や目標のない、自分の薬剤師人生は、このままでいいのか」
悶々とした薬剤師人生を歩む中、首を骨折する大きな事故に合い3カ月間の入院生活を余儀なくされたのです。
これからどのように生きていくか「生き方」を考える上で、入院生活の3ヶ月はあっという間でした。
私は、欲張りですから、働きがい・生きがいを自ら創造し、ワーク・ライフバランスを上手にとりながら心豊かな「クオリティー・オブ・ライフ(QOL)」を心がける、その第一歩として住みたい場所に移住することにしました。
移住する候補は、種子島や奄美大島、当時世界遺産になったばかりの小笠原諸島と出ていました。中でも「長寿の島」として有名な沖縄は、長寿地域の指標である人口10万人当たりに占める百歳以上長寿者の割合が日本国内でも上位です。その長寿を支える地域医療、在宅医療に興味がありました。
また、東南アジア文化、アメリカ文化、琉球文化が上手くチャンプルー(混ざった)された沖縄は本土と違い、少し刺激的で自然豊かな環境は、子育てに最適で、大好きなサーフィンは透き通る青い海でしたかったので、思い切って沖縄へ移住を決めました。
移住して4年経ちますが、この判断は間違っていなかったですね。
━ 沖縄で働くというと特別なイメージがありますが、実際に沖縄だから感じられるやりがいや生きがいはありますか?
ぶっちゃけると薬剤師の仕事は全国どこへ行っても同じだと考えます。患者さんに名指しで「あなたに会いに来たのよ」と声をかけられるときは薬剤師冥利につきますね。精神科の門前ということもあり、受診の度に患者さんの表情がどんどん明るくなり、身なりもキレイになっていることを感じる時もやりがいです。
また沖縄でのシンプルライフスタイルが、楽しみであり生きがいです。
まだ暗いうちに起床し、身支度を整え、太陽が昇り始める中、サーフィンを楽しみ、まだ髪も乾かぬうちに薬局へ出勤します。
朝、サーフィンをして仕事をすると「疲れませんか?」とよく聞かれますが、疲れる以上に楽しく、むしろ逆に調子がとても良いです。自身の体調が良いので、患者さんに接する時は元気良く、清々しいくらいです。
サーフィンは、精神的健康が得られる数少ないスポーツの一つです。自然の中で行うスポーツは、人間にセロトニンという幸せホルモンが脳から分泌されます。セロトニンは、ストレスに強く、心のバランスを取りストレスによる緊張状態を落ち着かせます。またメラトニンとの量も増え、夜もグッスリ眠ることが出来ます。
毎日、規則正しい生活を送り、セロトニンが爆発している私達夫婦は、患者様からよく「あなた、元気ね!」「声が明るくていいわ」「たまにあなたの顔見にきてるの」と言われます。
医療従事者としての基本である“知識”はもちろんのこと、もっと人間的に大事な“健康”、“元気”という薬を調剤しています。これは、生きがいでもあり、働きがいでもありますね。
━ 提供する側が心身ともに豊かで健康でないと、患者さんに安心や元気は与えられないですよね。沖縄というとなかなか地元に帰れないイメージがありますが実際はどうですか?
出来ます。実は移住者が多く、私達の勤めている薬局は、薬剤師40人中20人は本土の先生です。みんなで助け合いながら休みを頂き帰省しています。
また帰省とは逆になりますが、私たちが移住してることを理由に家族や両親が沖縄旅行を楽しみにしてやってきます。親孝行もできているなという実感もありますね。
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