Ⅰ調剤等に関する事項
1処方せん
(1)処方せんの取扱い
・処方せんに不必要な記載や不必要なゴム印の押印をしている例が認められるので改めること。
(2)処方せんの記載不備
受け付けた処方せんの処方内容について、次の不適切な例が認められるが、そのまま調剤している事例が見られた。処方せんの受付に当たっては、不備な点がないことを確認し、不備な点がある場合は、必要な疑義照会を行うこと。
また、このような不備が続く場合は、処方医・処方せん発行医療機関に改善を申し入れること。
・処方欄に用法・用量の記載がない。
・処方欄に外用薬の使用部位の記載がない。
(3)処方内容の変更
・薬剤の変更・追加、用法・用量の変更について、処方医に確認のうえ了解を得ていない不適切な例が認められるので適切に取り扱うこと。
(4)処方内容に関する薬学的確認
①疑義照会を行った場合は、その要点を処方せんの備考欄及び薬剤服用歴に記載すること。
②副作用の眠気に対して運転等危険な作業に注意を促していない事例が見られるので改めること。
③薬学的に見て、処方内容に問題が疑われるにもかかわらず、処方医への疑義照会が行われていない(処方医への照会の場合は、その内容等を処方せん又は調剤録に記載していないものを含む。)事例が見られるので、積極的に疑義照会を行うこと。
ア薬剤の処方内容より禁忌例への使用が疑われるものの例
・消化性潰瘍が疑われる患者に対するセレコックス錠の投与
・高齢者へのジベトス錠の投与
イ薬事法による承認内容と異なる効能効果(適応症)での処方が疑われるものの例
・抗菌薬を投与していない患者に対するビオフェルミンRの投与
・統合失調症が疑われる患者に対するマイスリー錠の投与
・ビオフェルミンR散とオゼックス細粒との併用投与
ウ薬事法による承認内容と異なる用法・用量で処方されているものの例
・アダラートCR錠、ノルバスク錠、ブロプレス錠、アムロジピン錠、ディオバン錠、オルメテック錠の1日2回投与
・ナウゼリン錠、漢方エキス製剤の食後投与
・シングレア錠の夕食後投与
エ併用禁忌が疑われるものの例
・外用ステロイド塗布剤と外用抗真菌薬塗布剤の併用
オ重複投与が疑われるものの例
・異なる医療機関による同一銘柄の処方
・同一成分薬の併用
・処方せんの投与日数の重複
カ薬学的に問題があると思われる多剤併用が認められるものの例
・ニフェジピン錠とアムロジピン錠の併用
キ投与期間の上限が設けられている医薬品について、その上限を超えて投与されているものの例
・マイスリー錠の30日を超える投与
・テクニス錠の12週を超える投与
・ルネスタ錠(薬価基準収載1年以内の医薬品は14日までの投与)
・オメプラール錠(逆流性食道炎は8週までの投与)
・タケプロンOD錠(逆流性食道炎は8週までの投与)
ク漫然と長期にわたり処方されているものの例(症状の改善がみられない場合)
・ガスモチン錠、ロゼレム錠(14日で有効性評価)
・メチコバール錠、ビタメジン配合カプセル(1月で有効性評価)
・サアミオン錠、セロクラール錠(脳梗塞後遺症の改善に投与時は12週で有効性評価)
ケ過量投与されているものの例
・高齢者に対するハルシオン錠の0.375㎎投与
・レザルタス配合錠HDとカルブロック錠の併用 ・小児の上気道炎に対するカロナール錠の1,800㎎投与
・エピレナートシロップ60ml
2 調剤等
(1)調剤済み処方せんの取扱い(調剤済処方せんの記載事項の不備)
○ 調剤済になった処方せんについて、次の事項を記載していない又は記載が不適切な例が認められるので改めること。
・ 調剤済年月日
・ 調剤した保険薬局の所在地
・ 調剤した保険薬局の名称
・ 保険薬剤師の署名又は氏名の記載及び押印
(2) 調剤録の取扱い
○ 調剤録の記入について、次の不適切な例が認められるので改めること。
・ 調剤録の訂正に当たって、二本線で抹消したのではなく、貼紙により訂正している(修正前の記載内容が判読不能である。)
・ 調剤録に複数名の押印がある。 3 処方せん、調剤録の保存
処方せん・調剤録の整理について、処方せんが複数枚にまたがる場合は、すべての処方せんと調剤録をのり付け等により一体のものとして整理し、保管すること。
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」のFacebookページに「いいね!」をすると、薬剤師が現場で活躍するために役立つ情報を受け取ることができます。ぜひ「いいね!」をよろしくお願いします。
お客様により安全にご利用いただけるように、SSLでの暗号化通信で秘匿性を高めています。
コメント欄ご利用についてのお願い
※コメントはサイト管理者の承認後に公開されます