こんにちは。
ファーマシスタ編集長の伊川勇樹です。
新規開局してから約半年後、所轄の厚生局から来る茶色い封筒に「ドキ」っとした経験がある方も多いかと思います。
個別指導のために、日々の業務を行うことは本末転倒だと思いますが、知らないが故に「返還」などの対象になるのは避けたいものですよね。
今回、四国厚生局さんが平成26年度に行った保険薬局の新規個別指導について指摘事項を公開していますので、薬剤師として大事だと思うポイントをまとめてみました。
処方内容の指摘
薬剤の処方内容より禁忌例への使用が疑われるものの例
・心機能不全が疑われる患者に対するソレトン錠 80
⇒消化性潰瘍、重篤な血液・肝・腎傷害、心機能不全、アスピリン喘息には禁忌
・慢性肝疾患に対するリウマトレックスカプセル 2mg
⇒妊婦、骨髄抑制、慢性肝疾患、腎障害、授乳婦、胸水、腹水、活動性結核には禁忌
・緑内障に対するレンドルミン錠0.25mg
⇒急性狭隅角緑内障、重症筋無力症には禁忌
薬事法による承認内容と異なる用法・用量で処方されているものの例
・エパデールS900 900mg 1 包 1 日 1 回夕食後
⇒食直後
・ アレロックOD錠 5 5mg 2 錠 1 日 2 回朝夕食後
⇒朝・就寝前
・ テオドール錠 100mg 2 錠 1 日 2 回朝夕食後
⇒朝・就寝前
過量投与での処方が疑われるものの例
・モーラステープ 20mg の 140 枚
⇒枚数多すぎ?
・ セレネース錠 3mg 及びセレネース錠 1.5mg の1日合計 28.5mg
⇒維持量 1日3~6mg
重複投与が疑われるものの例
・ アムロジピン錠 5mg「明治」とアゼルニジピン錠 16mg「テバ」
・ アダラート CR 錠 10mg とノルバスク錠 5mg
⇒Ca拮抗薬の併用
漫然と長期にわたり処方されているものの例
・モサプリドクエン酸塩錠 5mg 3 錠 1 日 1 回 3 食後
・ 月余にわたる 25mg アリナミンF糖衣錠とビタメジン配合カプセルB25
・ 月余にわたり投与されたメチコバール錠500㎍
⇒効果の有無、副作用の有無を確認し、継続投与が問題ないか疑義照会が必要
薬学的に問題があると思われる多剤併用が認められるものの例
・ビオフェルミンR散とホスミシンドライシロップ 400
⇒ビオフェルミンRの適応なし
・ 高尿酸血症の患者に対するナトリックス錠 1
⇒ナトリックスが高尿酸血症をきたす可能性あり
・ タケプロン OD 錠 15、リウマトレックスカプセル 2mg 及びタクロリムスカプセ ル 1mg「ファイザー」
⇒PPI併用でメトトレキサート、タクロリムスの血中濃度が上昇
まとめ
以上、処方内容の薬学的な指摘事項についてまとめてみました。
これらの指摘事項は、他の地域でもありうる事項だと思います。個別指導の際、指導官に指摘されて初めて知るのではなく、予め知っていて、医師にも確認している事が必要になってきます。
その他、事務的なことについては
「平成26年度に実施した個別指導に おいて保険薬局に改善を求めた主な指摘事項」
を参考にしてください。
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