ビオフェルミンRと併用できない抗生物質は?疑義照会は必要?

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

ビオフェルミンRといえば「抗菌薬とセットで処方される整腸剤」ですが、保険適応上、全ての抗生物質に対して併用できるわけではありません。

ビオフェルミンRとの併用が保険適応上問題となる抗菌薬についてまとめていきます。

ビオフェルミンRと併用できる抗生物質(抗菌薬)

添付文書上で、ビオフェルミンRの併用ができる抗生剤は下記の通りとなっています。

下記抗生物質、化学療法剤投与時の腸内菌叢の異常による諸症状の改善

ペニシリン系、セファロスポリン系、
アミノグリコシド系、マクロライド系、
テトラサイクリン系、ナリジクス酸 

引用元 ビオフェルミンR添付文書

このようにホスホマイシン(商品名:ホスミシン)や、ニューキノロン系抗菌薬であるレボフロキサシン(商品名:クラビット)、シタフロキサシン(商品名:グレースビット)、トスフロキサシン(商品名:オゼックス)、ペネム系であるファロペネム(商品名:ファロム)、カルバペネム系であるテビペネム ピボキシル(商品名:オラペネム)は添付文書上では適応になっていません。

適応以外の抗生剤(ホスミシン・クラビット)と併用で処方された場合は?

基本的には適応以外の抗生物質と併用されている場合は疑義照会し、ビオフェルミンやミヤBMなどの整腸剤に変更してもらうのが無難かと考えられます。

医師によっては「適応がなくても臨床上はビオフェルミンRの方がいいからそのままいって」と言われるケースもあるかもしれません。

その際は、問合せをしたという記録をレセ摘コメント、処方箋、調剤録、薬歴にしっかり残しておきましょう

ビオフェルミンRが単独で処方された場合

ビオフェルミンRは基本的に単独で処方はできません。

単独で処方が可能なケースは抗菌薬を併用しているケースです。

抗菌薬の併用が確認できた場合はレセ摘コメントと薬歴に「抗菌薬の併用確認済」とコメントを入れておきましょう。

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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