サービス担当者会議での薬局薬剤師の役割

この記事を書いた人

今井雄基(いまいゆうき)

株式会社倉敷健康企画
管理薬剤師 認定実務実習指導薬剤師
岡山県出身

こんにちは、メディカルライターの今井雄基です。

管理者になってから、薬局内業務に追われて訪問に出られていない今日この頃。
今回は在宅患者におけるサービス担当者会議と、薬剤師がそこで何を話すのかについてお伝えします。

サービス担当者会議とは?

サービス担当者会議は、介護保険によるサービスの追加や変更、新規サービス開始の方に対して、ケアマネージャー主体で他の在宅に関わる職種が集まって、現状のサービス内容や患者さんの状態について話し合う場です。

ご本人や家族が参加する場合、患者宅退院時カンファレンスのように入院中の病棟で行われます。

ご本人が参加せず介護支援事業所などで行われる場合もあります。

ご本人がいた方がサービスについての理解をしてもらいやすいですし、ご希望を聞き取りやすいのですが、認知機能の低下がある場合や、精神疾患があり理解が難しく、家族の方もいない場合はあえてご本人が参加せずに行うこともあります。

参加することで生まれる他職種との連帯感

まず、初めて顔合わせをする患者さんや職種の方がいるときは笑顔で(ここ重要!)自己紹介をします。
その後、在宅における現状と問題点の情報共有を行い、サービス内容についての確認をします。

初めての方の場合は一包化をするか、日付を入れるか、管理は薬箱orカレンダーかといった「どういう形で服薬管理を行っていくか」を、患者さんの同意を得ながら他職種の方と話し合います。

薬剤師の目線で大事なのがやはり「きちんと薬を飲んでくれるかどうか」ということでしょう。

食事の回数や睡眠時間、デイサービスの曜日など患者さんの生活に合わせて医師に処方提案を行うことはもちろんですが、患者さん自身で服薬管理ができない場合は、他の職種の方が入られる時間に合わせて服用してもらえるように提案したり、逆にサービスに入る時間を変更してもらうように提案したりします。
必要によっては薬剤師の訪問を週1回以上にすることもあるでしょう。(制度上は週1回までしか指導料は算定できませんが・・・。)

そうすることで、関係職種の方みんなで患者さんの服薬を管理する、という感覚になり、連帯感も生まれます。(感じているのは私だけかも。)

薬剤師からアドバイスできること

他職種の方(特に介護系の方)と話をして私が感じることは「服薬順守の精神」が薬剤師よりも厳しい事です。

処方されている薬は何が何でも飲ませないと!となっている介護職の方が多いように感じます。

もちろんきちんと飲んでくれることは大事ですが、優先順位をつけていただくためにアドバイスをします。
朝の分を忘れたら、昼の分を飲まずに朝の分を服用するようにしてもらう、夕の分を忘れたら、寝る前の分と一緒に服用してもらう、など患者さんの処方されている薬に応じてあらかじめ考えられる範囲で話をしておくと、他職種の方の精神的負担も少し軽くなるのではないでしょうか。

サービス担当者会議に薬剤師も参加を!

サービス担当者会議は他の方たちの都合もあり、スケジュール調整が難航するため、当日突然呼ばれることもあります。

介護算定をせずに訪問している方でケアマネージャーが私たちを呼ぶのを忘れていたこともありました。(このケースは非常に悲しいです。)

突然の依頼は外来業務などの通常業務を圧迫するので参加が難しい場合も多いかと思いますが、薬剤師の在宅訪問がケアマネージャーはじめ他職種にまだまだしっかりと知れ渡っていない現状で、少しでも薬局薬剤師が行っていること、行っている内容をアピールして、薬剤師って在宅で役に立つよ、ということを分かってもらうこと、周知してもらうことが重要だと思います。

ぜひ皆さんにはケアマネージャーからの参加依頼はできるだけ断らずにサービス担当者会議に参加して頂きたいと思います。

この記事を書いた人

今井雄基(いまいゆうき)

株式会社倉敷健康企画
管理薬剤師 認定実務実習指導薬剤師
岡山県出身

実習先の薬局で在宅医療に興味を持ちそのまま就職、2009年より現職。
調剤、在宅医療、OTCなど地域密着薬局での経験を元に現場に役立つ情報を発信してまいります。

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