こんにちは。
メディカルライターの今井雄基です。
薬局薬剤師9年目、管理薬剤師として在宅メインの薬局で働いています。
現在日本の人口の4人に1人が65歳以上となり、団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて医療、介護の需要がますます増えていきます。
薬剤師にとっても地域包括ケアシステムを担う一角として、患者宅での医療、いわゆる在宅医療は欠かすことのできない業務になってきているのではないでしょうか。
そこで今回は在宅医療を始めるための準備、やり方を皆さんにお伝えしようと思います。
在宅訪問をしたいけど、どうやって始めたらいいか分からない……。
こんな薬局薬剤師の方がまだいらっしゃるのではないでしょうか。
訪問診療をしている医師から依頼が来る、服薬管理に困っているケアマネージャーや訪問看護の方から依頼の電話がかかってくるのが一番の近道、非常に話は簡単なのですが、依頼の電話があれば既に在宅訪問を始めているはずです。
そうではない、簡単に自分で始める方法があります。
それは、薬局の窓口で服薬状況が怪しいなぁと感じ、自宅に残薬が多数あることが目に浮かぶような患者さん(うちでは気になる患者、「きにかん」と呼んでいます)に同意を得て、自宅に伺い状況を把握します。
といってもやったことのない方にはこれが非常に難しい。
患者さんが介護保険を持っていて使っているか(保険証と一緒に介護保険証を持っている場合が多い)、ケアマネージャーがついているかどうか(お薬手帳にケマアネージャーの名刺を挟んでいることが最近たまにある)確認してケアマネージャーに患者さんの状況を伺う方法もあります。
ケアマネージャー経由の方が患者さんからの拒否も少なくスムーズに事が運ぶかもしれません。
服薬管理に関して言うと、介護保険を持っている場合、ヘルパーや訪問看護、デイサービスを受けているかどうかも確認したほうが良いです。
それによって服薬の回数を減らすことや、処方薬変更の検討ができます。
そこで薬剤師による服薬管理が必要と判断した場合、医師に「訪問薬剤管理指導依頼書・情報提供書」(いわゆる医師の指示書)を記入してもらいます。
ちなみにこの指示書は処方箋の備考欄に「訪問薬剤管理指導指示」と記載してもらっても構いません。
ですが、医師からの情報提供は在宅訪問において非常に役に立つので、できれば指示書をもらいたいところです。
患者さんには薬剤師が自宅でどういった仕事をするのか、などが記載されてある「重要事項等説明書」をよく読んでもらって(かいつまんで説明してあげるととても親切です)、薬剤師による居宅療養管理指導の「同意書」を書いてもらって、ようやくスタートです。
お金に関することがネックになることもありますが、今回は省略します。
今回の方法で実際に在宅訪問に結びつかなくても、薬剤師として患者さんの服薬状況の改善に貢献でき、ケアマネージャーとの連携も取れるようになるので、在宅訪問の種をまいたと考えたらOKです。
在宅訪問は待っていても始まらないので、まずは「きにかん」を探すことから始めてみてはいかがでしょうか。
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