こんにちは。
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」の伊川です。
僕が新人薬剤師の頃、調剤併設のドラッグストアで勤務していましたので、お客さんや患者さんから色んな健康相談を受ける機会がありました。
その中でも、とても印象に残っているのが
「しゃっくりに効果のある薬ってあるの?」
という質問です。
しゃっくりに対する市販薬は「柿のヘタ」が入った柿蔕湯(シテイトウ)という漢方がありますが、保険適応や適応外でも医療用医薬品が使われることがあります。
また48時間以上続くしゃっくりの場合は、市販薬でなく受診を勧める必要があります。
吃逆(しゃっくり)の種類と治療薬についてまとめてみたいと思います。
吃逆(しゃっくり)は大きく下記の2つに分類されます。
①良性吃逆発作
②持続性・難治性吃逆
多くの場合は①のタイプで、アルコールや熱い飲み物、冷たい飲み物を摂取した時、冷たいシャワーを浴びた時、興奮、ストレスなどで発現し、長くても48時間以内に治まります。
一方②のタイプは、48時間~1ヵ月の持続性タイプと、1ヵ月以上続く難治性タイプに分かれ、原因は心因性、器質性(中枢神経、末梢神経、薬剤性、感染性、代謝性)、特発性に分類されます。
保険適応がある西洋薬はクロルププロマジン(商品名:コントミン、ウインタミン)です。
2016年時点で唯一保険適用があるため第一選択薬として処方されます。
漢方薬ではコタロー、太虎堂、ジュンコウの呉茱萸湯が吃逆の適応をとっています。(ツムラには無し)
また適応外として、クロナゼパム(商品名:リボトリール、ランドセン)、メトクロプラミド(商品名:プリンペラン)や、芍薬甘草湯が使用されることがあります。
芍薬甘草湯 2.5g
吃逆時
の頓服処方は僕も臨床現場で何度が目にするケースがありました。
ちなみに頓服処方の場合は10回分までとなります。
「しゃっくり=横隔膜のケイレン=筋肉のケイレン」だから吃逆(しゃっくり)でも保険で通るのでは?と考えられますが、ツムラさんサイドでは「芍薬甘草湯は吃逆の適応はとっていない」ときっぱりおっしゃっておりました。
適応外の場合、吃逆時の処方では査定されるケースも多いので注意しましょう。
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