アビガン(ファビピラビル)とタミフル・イナビル・リレンザの作用機序の違いは?

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

富山化学が開発する新しい作用機序の抗インフルエンザ治療薬「アビガン錠(一般名:ファビピラビル)」が2014年2月3日の厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会にて承認の合意に至ったため、間もなく正式に承認となりそうです。(2014年2月現在)

鳥インフルエンザA(H5N1等)型に対して効果が期待できるとして注目を浴びている薬剤ですが、具体的にどのように作用するのでしょうか??

既存のタミフルやイナビルなどの「ノイラミニダーゼ阻害薬」と比較して作用機序を解説します。

アビガン(ファビピラビル)の作用機序・作用部位

アビガン(ファビピラビル)作用機序 イナビル タミフル違い

インフルエンザウイルスは細胞に吸着し、膜融合をして細胞内に侵入し、複製した後に細胞の外の出て行き(遊離)し、次々にウイルスを増殖させます。

既存の「ノイラミニダーゼ阻害薬」はウイルスの遊離を抑制することで効果を発揮しますが、
アビガン錠(ファビピラビル)はインフルエンザウイルスのRNAポリメラーゼを阻害し複製そのものを阻止するのです。

そのため、慎重に投与する必要であり、妊娠中の女性などが服用すると胎児に重い副作用を引き起こす危険性が高いことから、条件付きでの承認となりそうです。

 

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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