こんにちは。
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」編集長の伊川勇樹です。
「咳止めの薬はどう使い分けたらいいかな?」
以前、あるDrから相談を受けたのですが、患者さんだけでなく医療従事者からもこのような「薬」の質問を受けることは薬剤師冥利に尽きますよね。
今回の回答内容を簡単にまとめてみました。
鎮咳薬は、
の2つに分かれます。
非中枢性(末梢性)もあるのでは?と思われるかもしれませんが、非中枢性(末梢性)は去痰薬や気管支拡張薬などとなるため、鎮咳薬として狭義で分類すると「中枢性の麻薬性鎮咳薬」、「中枢性非麻薬性鎮咳薬」となります。
以下に「中枢性の麻薬性鎮咳薬」、「中枢性非麻薬性鎮咳薬」について特徴をまとめてみました。
痰のある咳の場合は去痰作用のあるアスベリン(チペピジン)かレスプレン(エプラジノン)が、便秘が問題となる方は、便秘の副作用の少ないアストミン(ジメモルファンリン)がベターかと考えられます。
処方頻度の高いイメージがあるメジコン(デキストロメトルファン)は乾いた咳には有効ですがCYP2D6のPM(プアーメタボライザー)には注意が必要です。
しかし、日本呼吸器学会でのガイドラインをみていると「中枢性の鎮咳薬の使用はできる限り控えること」と明記されています。
「患者の消耗や QOL 低下をもたらす病的な咳嗽の制御は重要であり,咳を速やかに止めたいのが臨床医の心情であるが,原則として,初診時からの中枢性鎮咳薬の使用は明らかな上気道炎〜感染後咳嗽や,胸痛・肋骨骨折・咳失神などの合併症を伴う乾性咳嗽例にとどめることが望ましい」
引用:日本呼吸器学会ガイドライン
また、
「異物や病原体を排出するために「必要な咳」を抑制してしまう可能性があること、便秘や眠気など副作用が少なくない.さらに,理論的には原因疾患によらず奏効するはずであるが,実際には無効例が少なくない」
引用:日本呼吸器学会ガイドライン
ともされています。
頻繁に処方される中枢性鎮咳薬ですが可能な限り見極めて、最小限にとどめてもらうのがよいでしょう。
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