「これは細菌を殺すお薬です」
抗菌薬の服薬指導の際、よく耳にする言葉だと思いますが、すべての抗生物質が「細菌を殺す」わけではありません。
抗生剤は大きくわけて下記の2つの切り口で分類することができます。
名前の通り、静菌的抗菌薬は分裂増殖時の細菌を静めて発育速度を抑え、殺菌的抗菌薬は分裂増殖時の細菌を殺すといった特徴があります。
下記に、静菌的抗菌薬と殺菌的抗菌薬について代表的な薬剤をまとめてみました。
・マクロライド系
クラリスロマイシン(クラリス)、アジスロマイシン(ジスロマック)など
蛋白合成阻害
・リンコマイシン系
グリンダマイシン(ダラシン)
蛋白合成阻害
・テトラサイクリン系
ミノサイクリン(ミノマイシン)、オキシテトラサイクリン(テラマイシン)、ドキシサイクリン(ビブラマイシン)
蛋白合成阻害
・クロラムフェニコール系
クロラムフェニコール系(クロマイ)
蛋白合成阻害
・βラクタム系
セフカペンピボキシル(フロモックス)、セフジトレンピボキシル(メイアクト)、アモキシシリン(サワシリン)
細胞壁の生合成を抑制
・アミノグリコシド系
ゲンタマイシン(ゲンタシン)
蛋白合成阻害(リボソーム30S)
・ホスホマイシン系
ホスホマイシン(ホスミシン)
細胞壁の生合成阻害
・ニューキノロン系
レボフロキサシン(クラビット)、オフロキサシン(タリビッド)、トスフロキサシン(オゼックス)
DNA・RNA合成阻害
このように抗生剤が「静菌的」か「殺菌的」かを把握しておくことで、「これは細菌を殺す薬です」といった画一的な服薬指導からの脱却に繋がると思います。
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