こんにちは。
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」の伊川です。
「この薬を飲むと便が○○色になることがありますが心配はいりません。」
薬局であるあるのシーンだと思いますが、便に色が付く理由は大きく2つに分かれます。
・薬剤が体内で着色し便中に排出するケース
・薬剤そのものがカスとして便中に排出するケース
この2つのケースについて、代表的な薬剤と着色する色、原因についてまとめてみました。
ちなみに、薬剤の殻が便中に出てくることをゴーストピルorゴーストタブレットと呼ばれます。
薬品名
・フェログラデュエット
・テツクール
便の色
黒色
原因
鉄が腸管内で黒色の硫化鉄を形成し、便が黒色になる
薬品名
インクレミン
便の色
黒色
原因
鉄が腸管内で黒色の硫化鉄を形成し、便が黒色になる
薬品名
フェルム
便の色
黒色
原因
鉄が腸管内で黒色の硫化鉄を形成し、便が黒色になる
薬品名
フェロミア
便の色
黒色
原因
鉄が腸管内で黒色の硫化鉄を形成し、便が黒色になる
薬品名
次硝酸ビスマスなど
便の色
黒色
原因
硫化ビスマスとなるため(黒色)
薬品名
セフゾン
便の色
鉄添加物と併用した場合に、腸管内で反応し赤色になる
(粉ミルク、経腸栄養剤)
薬品名
タンニン酸アルブミン
便の色
黒色
原因
腸管内で鉄と結合しタンニン酸鉄を生成(黒色)
薬品名
アサコール
便の色
赤褐色
原因
コーティング剤が溶けきれずに便中に排泄
薬品名
ペンタサ
便の色
白色
原因
コーティング剤のエチルセルロースが水に不溶のため糞便中に白いものがでることあり
薬品名
リファジン
便の色
橙赤色
原因
代謝産物や消化、吸収されない薬剤が糞便中に排泄され橙赤色なる
薬品名
デパケンR・セレニカR
便の色
白色
原因
マトリックスを核とし、核を徐放性皮膜でコーティングした製剤であるが、マトリックス核が白色の残渣(残りかす)として便中に排泄
薬品名
メサフィリン
便の色
濃緑色
原因
銅クロロフィルナトリウムの緑色
薬品名
テオドール顆粒20%
便の色
白
原因
添加物の一部(白い粒子)
薬品名
スローケー
便の色・原因
有効成分が抜け出た後の錠剤の殻(白)が便の中に出てくることあり(ゴーストタブレットという)
⇒薬の成分であるカリウムは体の中で吸収されおり問題はない
薬品名
オキシコンチン
便の色・原因
マトリックス基剤(茶褐色)が糞便中に排出されることあり
⇒成分は既に吸収されており問題ない
薬品名
ディレグラ配合錠(後発品:プソフェキ配合錠)
便中に殻がでてくる原因
塩酸プソイドエフェドリンの消失半減期が短いため塩酸プソイドエフェドリン含有層を徐放化しているため
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