パーキンソン病は下記の4つの症状を特徴とします。
パーキンソン病は黒質メラニン含有神経細胞の変性が原因で線条体のドパミンが減ることから、ドパミンの前駆物質であるレボドパ製剤か、ドパミン伝達系を刺激するドパミン受容体刺激薬が治療の中心となります。
パーキンソン病治療薬の分類
パーキンソン病治療ガイドラインによると下記の場合にドパミンアゴニストが第一選択薬となります。
ドパミンアゴニストは化学構造の違いから麦角系(読み方:ばっかくけい)と非麦角系(読み方:ひばっかくけい)に分類されます。
麦角系は心臓弁膜症や肺線維症の報告があることから、非麦角系で治療効果が不十分な場合や忍容性に問題がある場合のみに使用されます。
つまりドパミンアゴニストが処方される場合、通常は非麦角系が第一選択となっています。
しかし非麦角系では突然眠ってしまう「突発性睡眠」が麦角系に比べて発現率は高く、重大な副作用として注意喚起されています。
ドパミンアゴニストは線条体のシナプス後膜にあるドパミン受容体を刺激することで、
ドパミンと同じような働きをし、パーキンソン病の症状を改善します。
ドパミン受容体にはD1受容体系(D1,D5)、D2受容体系(D2,D3,D4)があり、ドパミンアゴニストによって親和性に違いがあります。
一般名 | 商品名 | 作用機序 |
---|---|---|
ブロモクリプチン メシル酸塩 |
パーロデル錠 2.5mg |
D2アゴニスト |
ペリゴリド メシル酸塩 |
ペルマックス錠 50,250μg |
D1・D2アゴニスト |
カベルゴリン | カバサール錠 0.25,1mg |
D1・D2アゴニスト |
線条体以外の下垂体前葉のドパミンD2受容体にも作用しプロラクチン分泌を抑制することから、
パーロデルとカバサールには乳汁漏出症、高プロラクチン血性排卵障害、高プロラクチン血性下垂体腺腫にも適応があります。
一般名 | 商品名 | 作用機序 |
---|---|---|
タリペキソール 塩酸塩 |
ドミン錠 0.4mg |
D2アゴニスト |
プラミペキソール 塩酸塩水和物 |
ビ・シフロール錠 0.125,0.5mg ミラペックスLA錠 0.375,1.5mg 徐放タイプ |
D2アゴニスト 特にD3に親和性高 |
ロピニロール 塩酸塩 |
レキップ錠 o.25,1,2mg レキップCR錠 2,8mg 徐放タイプ |
D2アゴニスト 特にD3に親和性高 D3>D2>D4 |
ロチゴチン | ニュープロパッチ 2.25,4.5,9,13.5,18mg |
D1・D2アゴニスト D1〜D5全てに親和性あり |
アポモルヒネ 塩酸塩水和物 |
アポカイン 皮下注 |
D1・D2アゴニスト 特にD4に親和性高 |
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