医薬品と併用注意のビタミン剤のまとめ

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

「市販のビタミン剤と併用しても大丈夫ですか?」

薬局薬剤師がよく受ける質問の一つに市販のビタミン剤と医療用の薬との飲み合わせがあるかと思います。

市販のビタミン剤であれば安心というイメージはあるかと思いますが、医薬品と併用に注意をしないといけないビタミン剤や、禁忌のビタミン剤もありますので見落とさないように注意しなければいけません。

医薬品との飲み合わせで注意が必要なビタミン剤をまとめてみました。

医薬品と併用に注意するビタミン剤のまとめ

 

ビタミンAと相互作用のある医薬品

ワルファリンカリウム(ワーファリン)
ワルファリンの抗血液凝固作用を増大させ、出血傾向になる可能性あり。

エトレチナート(チガソン)角化症治療薬
ビタミンA過剰症になる可能性があるため禁忌

トレチノイン(ベサノイド)抗悪性腫瘍薬
ビタミンA過剰症になる可能性があるため禁忌

ビタミンKと相互作用のある医薬品

ワルファリンカリウム(ワーファリン)
ワルファリンの効果が減弱する。

ビタミンDと相互作用のある医薬品

ジゴキシン(ジゴキシン)メチルジゴキシン(ラニラピッド)

ビタミンDの摂取により、血中のカルシウム濃度が上昇し、心筋細胞内カルシウムの濃度が上昇すると、ジギタリス中毒の症状である不整脈が悪化しやすくなる。

アルファカルシドール(ワンアルファ、アルファロール)カルシトリオール(ロカルトロール)エルデカルシトール(エディロール)活性型ビタミンD3製剤

カルシウムの吸収が増え、高カルシウム血症が現れる可能性があり。

ビタミンCと相互作用のある医薬品

エストロゲン製剤

ビタミンCにより代謝が阻害されエストロゲンの血中濃度が上昇する。

アセタゾラミド(ダイアモックス)

腎・尿路結石。大量のビタミンC投与で、その代謝物であるシュウ酸の尿中排泄が増加し、カルシウム析出を助長して腎・尿路結石が発生しやすくなると考えられる。

葉酸と相互作用のある医薬品

フェニトイン製剤(アレビアチン、ヒダントール)

フェニトインの代謝が亢進し、フェニトインの血中濃度が低下する。

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

記事作成のサイトポリシーについてはコチラ

この投稿者の最近の記事

「伊川勇樹」のすべての投稿記事を見る>>

コメント欄ご利用についてのお願い

  • 薬剤師、薬学生、調剤事務、医師、看護師といった医療に携わる方が使用できるコメント欄となります。
  • 「薬剤師の集合知」となるサイトを目指していますので、補足・不備などございましたらお気軽に記入いただけると幸いです。
  • コメントの公開は運営者の承認制となっており「他のユーザーにとって有益な情報となる」と判断した場合にのみ行われます。
  • 記事に対する質問は内容によってお答えできないケースがございます。
  • 一般消費者からの薬学、医学に関する相談や質問は受けつけておりません。

※コメントはサイト管理者の承認後に公開されます

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」のFacebookページに「いいね!」をすると、薬剤師が現場で活躍するために役立つ情報を受け取ることができます。ぜひ「いいね!」をよろしくお願いします。

お客様により安全にご利用いただけるように、SSLでの暗号化通信で秘匿性を高めています。

ページトップに戻る