レペタン坐剤の14日投与制限・作用機序・特徴について

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

非麻薬性鎮痛剤のレペタン坐剤(一般名:ブプレノフィン塩酸塩)が処方された場合、
薬剤師は何に気をつける必要があるでしょうか?

レペタン坐剤には投与日数が14日以内という制限があります。

他の内服タイプの向精神薬と異なり、坐薬の場合は投与制限を見落としてしまうことがあるかもしれません。

知っていないと日数オーバーをスルーしてしまう可能性がありますので、情報共有できればと思います。

レペタン(ブプレノフィン)は第2種向精神薬で14日制限

レペタン坐剤は第2種向精神薬に指定されており、投与制限は14日となっています。

レペタン坐剤は術後の疼痛には1回0.4mgを1日2〜3回まで、
癌による疼痛には1回0.2mgまたは0.4mgを1日2〜3回で使用します。

レペタン坐剤 用法・用量
術後
通常、成人にはブプレノルフィンとして1回0.4mgを直腸内に投与する。その後、必要に応じて約8~12時間ごとに反復投与する。 ただし、術直後の激しい疼痛にはブプレノルフィンの注射剤を投与し、その後、必要に応じて坐剤を投与する。
各種癌
通常、成人にはブプレノルフィンとして1回0.2mg又は0.4mgを直腸内に投与する。その後、必要 に応じて約8~12時間ごとに反復投与する。なお、低用量より投与を開始することが望ましい。

引用元 レペタン坐剤インタビューフォーム

 

ちなみにレペタン坐剤には規格が0.2mgと0.4mgがありますので調剤ミスにも注意しなければいけません。

では、処方例をみてみましょう。

  • レペタン坐剤0.2mg 15個
    1日1回 1回1個挿入
    この場合15日分と見なされ査定の対象となってしまいます。
  • レペタン坐剤0.2mg 16個
    1日1回 1回2個挿入
    この場合は8日分となりますので14日以内でOKです。
  • レペタン坐剤0.4mg 30個
    1日2回 1回1個
    この場合は15日分と見なされ査定の対象となってしまいます。
  • レペタン坐剤0.4mg 30個
    1日3回 1回1個
    この場合は10日分となりますので14日以内でOKです。

このようにレペタン坐剤が処方された場合は、投与日数が14日以内かどうか薬局薬剤師がチェックし、15日を超えるようなら疑義照会が必要となります。

レペタン坐剤(ブプレノフィン)作用機序・持続時間

ブプレノフィンはオピオイド受容体のパーシャルアゴニスト(部分作動薬)として痛覚伝導系を抑制し鎮痛作用を示します。

μ(ミュー)オピオイド受容体
→作動
κ(カッパ)オピオイド受容体
→拮抗

レペタン坐剤は挿入後1〜2時間で血中濃度が最大となり持続時間は約8~12時間となっています(1)

服薬指導でのポイント

  • できる限り排便後に使用
  • アルコールは併用注意(中枢神経抑制作用増強のため)
  • 眠気・ふらつき・めまい・集中力低下の副作用が現れる可能性があるため自動車の運転は禁止
  • 長期使用で依存性が報告されているため医師の指示以上の使用は避けるよう指導
  • 保管は室温保存

参照資料
(1)レペタン坐剤インタビューフォーム

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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