「この目薬、コンタクトレンズの上から点眼してもいいの?」
薬局でもよく聞かれる質問の一つではないでしょうか。
基本的には主治医の判断になりますが、ソフトコンタクトレンズと点眼液で問題になるのが、点眼液の防腐剤「ベンザルコニウム塩化物」による角膜障害です。
防腐剤である「ベンザルコニウム塩化物」をソフトコンタクトレンズが吸着することによって、レンズが触れている角膜に障害が起こることが報告されています。
ほとんどの抗アレルギー点眼薬は防腐剤である「ベンザルコニウム塩化物」を含有するため、ソフトコンタクトレンズを外して点眼することとなっていますが、アレジオン点眼液については「ベンザルコニウム塩化物」が含有されていないため、ソフトコンタクトレンズの上から点眼がOKとなっています。
抗アレルギー点眼薬とコンタクトレンズとの関係についてまとめてみました。
本剤の保存剤であるベンザルコニウム塩化物による過敏症が知られている。
引用元 インタール点眼液添付文書 その他の注意事項
添付文書にはソフトコンタクトレンズの記載はありませんが、ベンザルコニウム塩化物を含むため注意が必要です。
ベンザルコニウム塩化物によりソフトコンタクトレンズを変色させることがあるので、ソフトコンタクトレンズを装用している場合は、点眼前にレンズを外し、点眼15分以上経過後に再装用すること。
引用元 ザジテン点眼液添付文書
添付文書にはソフトコンタクトレンズの記載はありませんが、ベンザルコニウム塩化物を含むため注意が必要です。
添付文書にはソフトコンタクトレンズの記載はありませんが、ベンザルコニウム塩化物を含むため注意が必要です。
ベンザルコニウム塩化物の含有なし
しかし、主成分のアシタザノラスト水和物と添加物のクロロブタノールがソフトコンタクトに吸着することが認められているため、ソフトコンタクトレンズを外して点眼するのが望ましいとのことです。
本剤はベンザルコニウム塩化物を含有するため、含水性ソフトコンタクトレンズ装用時の点眼は避けること。
本剤の保存剤であるベンザルコニウム塩化物による過敏症が知られている。
引用元 リボスチン点眼液添付文書 重要な基本的注意・その他の注意
本剤はベンザルコニウム塩化物を含有するため、含水性ソフトコンタクトレンズを装用したまま点眼することは避けること。
本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、点眼時はコンタクトレンズをはずし、10分以上経過後装用すること
引用元 パタノール点眼液添付文書 重要な基本的注意
2014年12月に防腐剤のベンザルコニウム塩化物をホウ酸に変更したことから全てのコンタクトレンズの上から使用がOKとなっています。
しかしアレルギー性結膜炎の場合はコンタクトレンズの装着自体を避けた方がいいため、コンタクトレンズの装着については主治医の判断となりますが、薬剤とコンタクトレンズとの影響は問題無しとなっています。
日本点眼研究所からPF製剤(preservative free)という、防腐剤フリーの点眼液が発売されています。
抗アレルギー薬に関しては、ケトチフェンPF点眼液0.05%「日点」(ザジテンジェネリック)、クモロールPF点眼液2%(インタールジェネリック)、トラメラスPF点眼液0.5%(リザベンと同成分)があります。
これらは「ベンザルコニウム塩化物」を含有していないため添付文書にも「ソフトコンタクトレンズを外して点眼するように」の記載がありません。しかし、メーカーはソフトコンタクトレンズを外して点眼することを推奨されています。
防腐剤にアレルギーのある方や、コンタクトレンズがどうしても外せない方にはこのような防腐剤フリータイプも選択肢の一つとしてよいかと思います。
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