むずむず脚症候群は「そわそわした」という意味のRestlessからレストレスレッグス症候群(Restless Legs Syndrome:RLS)と名付けられています。
RSLでは下記の4つの特徴的な自覚症状があります。
RLSは原因が明らかでない特発性、鉄欠乏性貧血や糖尿病、透析などによる二次性に分けられます。
主に下記がRLSの原因と考えられています。
L-dopaやドパミン受容体刺激薬を投与するとRLSは改善し、中枢性ドパミン受容体拮抗薬を投与するとRLSが悪化する1)ことからドパミンがRLSに関与していると考えられています。
1)ビ・シフロール錠インタビューフォーム
レストレスレッグス症候群に効能・効果のある医療用医薬品は下記のとおりです。
分類 | 一般名 | 商品名 |
---|---|---|
ドパミン受容体作動薬 | プラミペキソール | ビ・シフロール錠 |
ロチゴチン | ニュープロパッチ | |
Ca2+チャネルα2δリガンド | ガバペンチンエナカルビル | レグナイト錠 |
RLSの原因としてドパミン伝達の異常、ドパミン生成に関与する鉄分の不足が考えられていることから、ドパミン受容体刺激薬がRLSの適応を取得しています。
また別の作用機序として抗てんかん薬のガバペン錠(一般名:ガバペンチン)のプロドラッグであるレグナイト錠(一般名:ガバペンチンエナカルビル)もRLSの適応を取得しています。
【作用機序】
ビ・シフロール錠(一般名:プラミペキソール)はシナプス後膜のドパミンD2受容体を刺激しドパミン伝達を活性化。
ドパミンD2受容体ファミリー(D2,D3,D4)の中でD3に親和性が最も高い。
D3受容体は感覚、認知機能に関係する中脳辺縁系や痛覚伝達に関与する脊髄にも発現。
主にドパミンD2受容体ファミリーのD3受容体を刺激することでRLSを改善させる。
【特徴】
tmaxが1.4〜2.3時間のため通常は就寝2〜3時間前に服用。
長期服用で治療前より症状出現時間が早くなる、範囲が広くなる、増強するオーグメンテーションがまれに起こる。
【作用機序】
ニュープロパッチ(一般名:ロチゴチン)はシナプス後膜のドパミンD2受容体を刺激しドパミン伝達を活性化。
ドパミン受容体D1〜D5全てに親和性を示す。
【特徴】
1日1回タイプの貼付剤
貼付部位の温度上昇で血中濃度上昇
(入浴OK サウナ、直射日光NG)
【作用機序】
レグナイト錠(一般名:ガバペンチンエナカルビル)はドパミン受容体作動薬とは異なる作用機序。
ガバペンチンエナカルビルは経口投与後、肝臓で加水分解されガバペンチンとなり効果を発揮。
「興奮性の抑制」と「抑制性を増強」により過剰な興奮を抑える。
グルタミン酸神経系(興奮性)の抑制
脳細胞の前シナプスにCa2+イオンが流入すると興奮性神経伝達物質のグルタミン酸が放出。
ガバペンチンは前シナプスのカルシウムチャネルα2δ サブユニットに結合することでシナプス内へのCa2+イオン流入を抑制し興奮性神経伝達物質のグルタミン酸の放出を抑える。
GABA神経系(抑制性)の増強
脳内のGABAの量を増やしGABAトランスポーターの活性化により抑制性のGABA神経を活性化。
上記の「興奮性の抑制」と「抑制性を増強」によりシグナル伝達の過剰な興奮を抑えRLSを改善。
【特徴】
ガバペン錠(ガバペンチン)の個人差をなくすためのプロドラッグ。
アルコール摂取で徐放性が失われるため飲酒は避ける。
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