高尿酸血症はCKDの進行の原因になります。
また、腎機能の低下により尿酸排泄が低下するので、CKD患者では高尿酸血症の頻度が高まります。
このように高尿酸血症とCKDは密接に結びついているためCKDにおける尿酸管理は重要になります。
また、CKD患者によく使用される利尿薬は高尿酸血症を引き起こすことがあるので、注意しなければいけません。
尿酸値をコントロールすることで、腎機能の悪化を抑制し、また蛋白尿を減少させる可能性が示唆されています3)。
治療についてはまずは生活習慣の改善を指導し、血清尿酸値8.0mg/dL以上で薬物治療を開始し、6.0mg/dL以下を目標とします3)。
アロプリノールは腎排泄型であり、腎機能障害患者では、本剤や活性代謝物であるオキシプリノールの排泄が遅くなり、高い血中濃度を維持するので、腎機能に応じて投与量を減らし、投与間隔を延長します4)。
特に腎不全時ではアロプリノールの重篤な副作用の頻度が高いと言われていて、その原因は代謝活性物オキシプリノールの血中濃度の上昇と考えられています1)。
フェブキソスタットの主な代謝経路はグルクロン酸抱合反応であり、通常は腎機能による減量の必要はありません。
重度の腎障害患者には慎重投与となっています5)。
また、尿蛋白減少効果はアロプリノールよりも有用であるという可能性も示唆されています。
CKDのステージが軽度~中等度低下では、連続投与7日目のAUCが53~68%上昇すると言われています6)。
高度低下では1日1回10mgから開始し、血中尿酸値を確認しながら、必要に応じて少しずつ増量していきます6)。
高度低下でもやはりAUCは増大します6)。
いずれにせよ、腎機能障害の患者さんに20mgを超える場合はたとえ軽度であっても注意しながら経過を観察しなくてはなりません。
CKDのステージについてはこちらを参照
・慢性腎臓病(CKD)の定義・原因・治療について
2018年時点では、トピロキソスタットの有効性を示すデータは報告されていません3)。
また、ベンズブロマロン(商品名:ユリノーム)は尿中へ尿酸排泄を促進させるので、尿量が減少した末期腎不全時では効果が期待できないので禁忌となっています6)。
添付文書にも高度の腎機能障害患者には禁忌と書かれています7)。
これらのことから、現時点ではCKD患者に対してアロプリノールまたはフェブキソスタットの使用が有用とされています3)。
貧血治療と高尿酸血症治療はCKD進行抑制、心血管病発症予防という点で重要です。
腎性貧血治療に関しては、持続型ESAの登場により投与回数が減り、安定した効果が得られ、高尿酸血症治療に関しては用量調節の必要がないフェブリクが登場しました。
これにより、服用する薬の種類が多いCKD患者さんの負担も軽減しているのではないでしょうか。
参照書籍・文献
1)CKD診療ガイド2012
2)患者さんとともに理解するCKDと血液透析
3)エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018
4)ザイロリック錠添付文書
5)フェブリク錠添付文書
6)腎機能別薬剤投与量 じほう
7)ユリノーム錠添付文書
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