慢性腎臓病(CKD)における薬物治療について~貧血治療と高尿酸血症治療~

この記事を書いた人

サエ

薬剤師
東邦大学 薬学部卒

こんにちは。

メディカルライターのサエです。

慢性腎臓病(CKD)患者に対する貧血と高尿酸血症の治療薬についてお話したいと思います。
 

CKD患者の貧血治療

CKDでは、エリスロポエチンの生成が低下するので腎性貧血になります。

腎性貧血は腎障害を進行させ、また貧血は心不全の増悪因子であるので、貧血の治療は重要です。

腎性貧血の治療には赤血球造血刺激因子製剤(Erythropoiesis Stimulating Agent : ESA)が用いられ、静脈内投与または皮下投与します。

主なESAは遺伝子組換えヒトエリスロポエチン持続型ESAです。

遺伝子組換えヒトエリスロポエチン

  • エポエチンアルファ
    商品名:エスポー注射液・皮下用シリンジ
  • エポエチンベータ
    商品名:エポジン注シリンジ・皮下注シリンジ

持続型ESA

  • エポエチンベータペゴル
    商品名:ミルセラ注シリンジ
  • ダルベポエチンアルファ
    商品名:ネスプ注射液

維持用量の場合、既存のESAは週2~3回の投与ですが、持続型ESAは4週に1回の投与で安定した効果が得られ患者さんへの身体的な負担も減ります。

CKD患者へのESAを投与する際、投与開始ではヘモグロビン(Hb)濃度10g/dL以下の患者を対象とし、治療目標Hb値は10~12g/dLです1)
13g/dLとなるよう設定すると、心血管イベントが増加すると言われています2)

ただ、「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」によると保存期CKD患者のESA治療におけるHb目標値は11g/dL以上13g/dL未満となっています。(腎保護効果が発揮されたというデータがあるため)

また、重篤な心血管疾患(CVD)の既往・合併がある患者さんなどでは、Hb値が12g/dLを超える場合はESAの減量、休薬を考慮します。

>続き CKDの高尿酸血症治療薬とCKD患者への投与の注意点

この記事を書いた人

サエ

薬剤師
東邦大学 薬学部卒

東邦大学大学院薬学研究科で修士課程修了後、都内の病院で薬剤師として勤務。その後、調剤薬局へ転職。東京、千葉、福島にて勤務経験あり。
現在は石川県で育児の傍ら勉強中。英会話が趣味で、TOEIC810点取得。

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