【エクオール】薬剤師が知っておきたいサプリメントについての知識

この記事を書いた人

Kay (ケイ)

広島大学 薬学部卒 
研修認定薬剤師

服薬指導の際に、薬とサプリメントの飲み合わせについて聞かれて戸惑ってしまったことはないでしょうか?

今回とりあげるのは、
主に40代以上の女性が摂取しているサプリメント「エクオール」です。

「エクオール」は、女性ホルモンであるエストロゲンとよく似た働きをする成分の名前で、更年期症状の改善骨粗しょう症予防女性のメタボ改善作用などを期待して婦人科ドクターからも積極的に紹介されているサプリメントです。

エクオールを服用している、あるいは、服用を検討している患者さんからの相談に自信を持って対応できるように

  • エクオールの基礎知識
  • 医薬品との相互作用
  • 摂取にあたっての注意点

について、考えてみたいと思います。

1.エクオールの基礎知識

エクオールは大豆イソフラボンの代謝物で、人間の体内で女性ホルモンのように働くことが報告されており、ホットフラッシュ、首や肩のこり、肌老化、など更年期症状の改善に対する作用が発表されています。

「イソフラボンなら、わざわざサプリメントをとらなくても大豆をとればいいのでは?」

と、思うのではないでしょうか。

しかし、下記のような報告があります。

残念なことに、エクオールを生み出す腸内細菌はすべての人の腸の中にいるわけではありません。その割合は日本人では50%だと言われています。

引用:大塚製薬 更年期ラボ

つまり、
せっかく大豆を摂取しても約半数の人はエクオールの作用を得ることができない
ということです。

自分の体が、大豆を摂ることでエクオールを作れるのか、それとも作れないのかをチェックできる検査キットがあります。

尿検査で簡単にわかりますので、
検査キットを購入し、付属の封筒に検体を入れて郵送すれば数日で結果がわかります。

作れない人は大豆食品をたくさんとっても思うように効果が得られません。

そのため、
サプリメントとして補うことで、さまざまな不調の改善につながることが期待できます。

2.医薬品との相互作用

通常、更年期治療で使用される医薬品は主に以下の通りです。

  • ホルモン補充療法
  • 漢方薬
  • 抗不安薬

これらに加えてエクオールを摂ることは通常は問題ないとされています。

私が以前に扱った婦人科の処方例では、
血栓症や貼付剤によるかぶれ等、ホルモン療法による副作用を軽減するために、
ホルモン剤の量を減量してエクオールと併用する
といった例がありました。

女性ホルモンの減少による骨密度の低下や脂質異常症の治療薬を併用している患者さんもいらっしゃいますがこれらの薬との併用も問題はないようです。

3.摂取にあたっての注意点

大塚製薬のエクオールサプリメント「エクエル」の添付文書に以下の記載があります。

  • 妊娠中、授乳中の方、乳幼児及び小児は摂取しないでください。
  • 疾病などで薬を服用中あるいは通院中の方はご使用前に医師にご相談ください。
  • 原材料をご参照の上、食品アレルギーのある方は、お召し上がりにならないでください。
    また、体質や体調により合わない場合がありますので、その場合はご使用をお控えください。

大豆アレルギー等がある場合は注意が必要です。

まとめ

  • エクオールは更年期症状の改善や骨粗しょう症予防効果、女性のメタボ改善作用などさまざまな研究発表が報告されている成分である。
  • 大豆を摂ってもイソフラボンが有効利用できない体質の人でも、イソフラボンの代謝物であるエクオールを直接摂取することが有効である。
  • 併用が予想される婦人科系の医薬品との飲み合わせは問題ないが主治医に事前に相談が必要。
  • 大豆アレルギーのある人は摂取できない。

参考サイト
・大塚製薬 更年期ラボ
・大塚製薬 エクオールライフ
・大塚製薬 エクエル

この記事を書いた人

Kay (ケイ)

広島大学 薬学部卒 
研修認定薬剤師

愛媛県出身 
現在は東京在住。

化粧品メーカーの営業・販売員教育職を経て、薬剤師歴16年のアラフィフです。

総合病院の門前薬局、商店街にある下町の調剤薬局、オフィスビルの医療モール内薬局などで幅広い処方箋の応需経験があります。

婦人科、皮膚科、眼科、患者さまとのコミュニケーション術などについて、私なりの視点でお伝えできればと思います。

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