後発医薬品(ジェネリック)の薬価算定方法・薬価の決まり方

2017年1月~3月の後発医薬品の使用率は67.1%となっています。

骨太の方針において後発医薬品使用率を2017年(平成29年)なかばに70%以上とするとともに、2018年度(平成30年度)から2020年度(平成32年度)末までの間のなるべく早い時期に80%以上とするという目標値を掲げていることもあり、今後更なる後発医薬品の使用促進が進むと考えられます。

後発医薬品の採用基準として製剤工夫はもちろんのこと、薬価を重視される方もいるのではないでしょうか?

ではどのようにしてジェネリック医薬品の薬価が決められているのでしょうか?

新規収載される後発医薬品の薬価算定の方法についてまとめました。

新規の後発医薬品が薬価収載される場合の原則

新規でジェネリック医薬品が薬価収載される場合は下記が原則となります。

  • 発売メーカーが10社未満の場合
    先発品薬価×0.5
  • 発売メーカーが10社以上の場合
    先発品薬価×0.4
  • バイオ後続品
    先行バイオ医薬品の×0.7

先発医薬品が新薬創出加算1の対象品目の場合はそれを除いた薬価を基に算定されます。

1 新薬創出加算とは?
革新的な新薬の創出や適応外薬等の開発を目的に、後発品のない新薬で値引率の小さいものに一定率までを加算する制度。これにより、実質的に薬価が維持される。

先発医薬品が有用性加算(Ⅱ)の対象になっている場合

先発品が有用性加算(Ⅱ)※2の対象になっている場合、上記の原則で算出した値に有用性加算(Ⅱ)が加えられます。

2 有用性加算(Ⅱ)とは?
以下の要件を満たす新規収載品(先発)に対する加算

  • 臨床上有用な新規の作用機序を有すること。
  • 類似薬に比して、高い有効性又は安全性を有することが、客観的に示されていること。
  • 当該新規収載品により、当該新規収載品の対象となる疾病又は負傷の治療方法の改善が客観的に示されていること。
  • 製剤における工夫により、類似薬に比して、高い医療上の有用性を有することが、客観的に示されていること。

汎用規格と非汎用規格が発売される場合

汎用規格(通常用量の規格)と非汎用規格(通常用量でない規格)が薬価収載される場合は少しややこしくなります。

テルミサルタンを例に解説していきます。

テルミサルタンの用法・用量は通常1回40mgとなりますので40mgが汎用規格、20mgや80mgが非汎用規格となります。

テルミサルタンの用法・用量  
通常、成人にはテルミサルタンとして40㎎を1日1回経口投与する。ただし、1日20㎎から投与を開始し漸次増量する。なお、年齢・症状により適宜増減するが、1日最大投与量は80㎎までとする。

新規に後発品の薬価を算出する場合、汎用規格については先発品薬価×0.4〜0.5で算出されますが、非汎用規格は単純に先発品薬価×0.4〜0.5となりません

テルミサルタン錠40mgの薬価算出(汎用規格)
汎用規格であるテルミサルタン錠40mgは10社以上のメーカーからジェネリック医薬品が発売されたため、先発品薬価×0.4で算定されます。
これは原則通りでわかりやすいかと思います。

ミカルディス錠40mg薬価(115.00)×0.4
=テルミサルタン40mg薬価(46.00)

しかし非汎用規格であるテルミサルタン錠20mg、80mgの計算式は、
単純に先発品のミカルディス錠20mg(or80mg)薬価×0.4とはなりません。

ここからは少しマニアックな計算式が出てきます。

下記の式で先発品の規格間比を求め、それを基に算定されます。

 log(P2/P1)/log(X2/X1)=規格間比

Q1=汎用規格の先発品の薬価
Q2=非汎用規格の先発品の薬価
Y1=汎用規格の先発品の有効成分含有
Y2=非汎用規格の先発品の有効成分含有量

(注)規格間比が1を超える場合及び先発品の規格間比がない場合は1とする。
ただし、内用薬については、X2>X1(X2 が通常最大用量を超える用量に対応するものである場合に限る。)であって、先発品の規格間比が0.5850を超える及び規格間比がない場合は0.5850とする。

上記で算出した先発品の規格間比をもとにジェネリック医薬品の非汎用規格の薬価は下記のように算定されます。

非汎用規格の薬価=
汎用規格の薬価×(非汎用品規格の成分量/汎用規格の成分量)規格比

テルミサルタン錠20mgの薬価算出方法(非汎用規格)

テルミサルタン40mgの薬価(46.00)×(20mg/40mg)0.9171
=テルミサルタン20mgの薬価(24.40) 

非汎用規格のため先発品の40mgと20mgの規格間比0.9171より算出。

テルミサルタン錠80mgの薬価算出方法(非汎用規格)
 
テルミサルタン40mgの薬価(46.00)×(80mg/40mg)0.5850
=テルミサルタン80mgの薬価(69.00) 

X2>X1(X2 が通常最大用量を超える用量に対応するものである場合に限る。)であって、先発品の規格間比が0.5850を超えるに該当するため規格間比は0.5850として算定。

規格間比の例外
製剤上の工夫をすることなく、投与期間の延長のみを目的として含有量が増加した製剤(例 5mg 1回/日が35mg 1回/週になり成分量が増加した製剤)に対し、規格間調整が適用される場合は、規格間比の上限が 0.5850とされます。

先発品にない規格の後発医薬品が発売される場合

先発品が存在すると仮定して先発品の薬価算定基準〔類似薬効比較方式(Ⅰ)〕により算定された額に上記のルールを適用して算定されます。

引用元 厚生労働省通知 保発 0210 第1号 平成 28 年2月10日 薬価算定の基準について

この記事を書いた人

薬剤師・ヨウ

ヨウ

薬剤師 新潟県出身

神奈川、茨城で調剤薬局を経験。
その後、地元新潟にて地域医療を盛り上げるため日々邁進中!

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