2017年7月現在、ドネペジル錠は26社のメーカーの後発医薬品が薬価収載されています。
後発医薬品を選ぶ際に価格以外でどのような視点を重視すればよいのでしょうか?
ドネペジル塩酸塩OD錠は適応がアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制※であり、服用する患者は認知症を患っている場合がほとんどだと思われます。
服用するであろう患者背景を踏まえ、下記の代表的なジェネリック医薬品について一包化にフォーカスをして比較していきます。
※2017/7時点での適応。
先発医薬品のアリセプトD錠のみがレビー小体型認知症の適応あり。
今後GEも適応を取得することが予想されます。
無包装状態の安定性に関しては、安定性試験をみるといずれのメーカーも溶出性と含量が規格外となるようなデータはなく服用には問題ないと考えられます。
一般的にほとんどの錠剤は時間経過とともに硬度の低下がみられ、自動分包機を使用した一包化の際に割れ、欠けが多くなります。
ドネペジルにおいてもそれは例外ではありません。
しかし「トーワ」、「サワイ」、「明治」に関しては自動分包機での一包化の試験を行ったことが製品情報ホームページまたはインタビューフォームに記載されています。
試験の結果をみるといずれも割れ、欠けがなく自動分包機での一包化が問題ない製品といえます。
一方で「アメル」の3mgと10mgで規格外の硬度低下が認められています。
一包化の監査は印字製剤がおすすめです。
「トーワ」、「DSEP」、「明治」の製品は印字があり、「トーワ」の製品は割線を隔てて対称に「ドネペ5」の印字があり分割後も判別可能となっています。
ドネペジルを3mg以下で少量投与する場合は割線のあるものを選択するといいでしょう。
3mgで割線を有しているのは「アメル」、「トーワ」、5mgで割線を有しているは「トーワ」、「アメル」、「サワイ」になります。
ドネペジルを少量投与することの是非に関しては各自で状況に応じて判断する必要があります。
添付文書上では〈用法・用量に関連する使用上の注意〉の項目に3mg/日投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、原則として1〜2週間を超えて使用しないことと記載があります。
しかし2016年6月1日に厚労省から国民健康保険中央会へドネペジルを少量投与の場合、添付文書の規定で一律に査定するのではなく、個々の症状に応じて査定するように事務連絡がでています。
ドネペジルにはOD錠以外にもODフィルム、内服ゼリー、内用液といった剤型があります。
患者さんが服用を拒否する場合などはこういった剤型を活用するといいでしょう。
アリセプトD錠3mgのジェネリック医薬品について、大きさ、印字・割線の有無について比較いたします。
アリセプトD錠5mgのジェネリック医薬品について、大きさ、印字・割線の有無、簡易懸濁や自動分包機での使用が可能かどうかについて比較いたします。
アリセプトD錠10mgのジェネリック医薬品について、大きさ、印字・割線の有無ついて比較いたします。
ジェネリック医薬品は各社が様々な製剤工夫を施しています。
今回のドネペジルOD錠では一包化に注目して比較をしました。
先発と同じ大きさがいい、監査がしやすいものがいい、自動分包機を使いたいといったそれぞれの基準でもう一度採用薬を見直してみてはいかがでしょうか?
引用元
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