イリボー(ラモセトロン)って女性に処方できる?

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

腹痛

 これまでイリボーといえば男性専用の過敏性腸症候群(IBS)治療薬といったイメージがあったのではないでしょうか。

2015年5月に女性への投与の承認を取得し、男性の半量で投与が可能となりました。

イリボー(ラモセトロン)の作用機序

イリボー(ラモセトロン)の作用機序をおさらいしておきましょう。

過敏性腸症候群(IBS)は腸の粘膜から分泌される「セロトニン」が関与していると言われています。

ストレスなどが原因となり、腸の粘膜からセロトニンが分泌されます。

セロトニンが腸内のセロトニン受容体(セロトニン5HT3)と結合すると、腸のぜん動運動が異常をきたし、下痢や便秘を引き起こすと言われています。また求心性神経終末の 5-HT3受容体に結合することで、脳に痛みを伝え、腹痛や腹部不快感となります。

イリボー(ラモセトロン)はセロトニン5HT3受容体を選択的に阻害することで、効果を発揮します。

イリボーの女性への用法・用量は?

イリボー(ラモセトロン)

出典 アステラス製薬

女性における下痢型過敏性腸症候群の場合
通常、成人女性にはラモセトロン塩酸塩として2.5μgを1日1回経口投与する。
なお、効果不十分の場合には増量することができるが、1日最高投与量は5μgまでとする。

男性における下痢型過敏性腸症候群の場合
通常、成人男性にはラモセトロン塩酸塩として5μgを1日1回経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は10μgまでとする。

つまり女性に投与する場合は男性の半量となります。

今後、女性患者さんにイリボーが処方されても疑義照会はしないように注意しましょう。

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

記事作成のサイトポリシーについてはコチラ

この投稿者の最近の記事

「伊川勇樹」のすべての投稿記事を見る>>

コメント欄ご利用についてのお願い

  • 薬剤師、薬学生、調剤事務、医師、看護師といった医療に携わる方が使用できるコメント欄となります。
  • 「薬剤師の集合知」となるサイトを目指していますので、補足・不備などございましたらお気軽に記入いただけると幸いです。
  • コメントの公開は運営者の承認制となっており「他のユーザーにとって有益な情報となる」と判断した場合にのみ行われます。
  • 記事に対する質問は内容によってお答えできないケースがございます。
  • 一般消費者からの薬学、医学に関する相談や質問は受けつけておりません。

※コメントはサイト管理者の承認後に公開されます

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」のFacebookページに「いいね!」をすると、薬剤師が現場で活躍するために役立つ情報を受け取ることができます。ぜひ「いいね!」をよろしくお願いします。

お客様により安全にご利用いただけるように、SSLでの暗号化通信で秘匿性を高めています。

ページトップに戻る