タケキャブ(PCAB)の特徴、ピロリ菌除菌率は?

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

タケキャブ(PCAB)特徴

先日は今話題のカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(PCAB※)タケキャブ錠の勉強会に参加してきました。 ※Potassium-Competitive Acid Blockerの略

タケプロンに比べ、より速く、より安定して効果がある薬剤ですが、武田薬品さんがおっしゃっていた要点をピックアップしたいと思います。

・酸による活性化を必要としないため速やかな効果が期待できる。
タケプロンは酸による活性化が必要

・酸性環境下でも安定しているため長時間効果が期待できる。
タケプロンは酸性環境下で不安定

・効果が早く、長時間作用するため、逆流性食道炎の治療期間は通常4週間
タケプロンは通常8週間

・ピロリ菌の一次除菌率が92.6%と高い。
タケプロンは75.9%

・CYP2C19の影響を受けにくいため、個人差が生じにくい。
タケプロンは主にCYP2C19とCYP3A4で代謝。タケキャブはCYP3A4がメイン。(一部CYP2B6,CYP2C19の代謝を受ける)

非常に切れ味のするどい薬のため、再燃再発を繰り返す逆流性食道炎の患者さんやピロリ菌除菌での処方が増えることが予想されます。

個人的にはマウス・ラットのがん原性試験において長期間(2年間)投与時の肝臓腫瘍が認められたことが少し気になりました。(マウスで13倍以上、ラットで58倍以上)

薬は諸場の刃。

よく効く薬にはそれなりのリスクがあることを頭にいれておく必要があるでしょう。

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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