先日は今話題のカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(PCAB※)タケキャブ錠の勉強会に参加してきました。 ※Potassium-Competitive Acid Blockerの略
タケプロンに比べ、より速く、より安定して効果がある薬剤ですが、武田薬品さんがおっしゃっていた要点をピックアップしたいと思います。
・酸による活性化を必要としないため速やかな効果が期待できる。
タケプロンは酸による活性化が必要
・酸性環境下でも安定しているため長時間効果が期待できる。
タケプロンは酸性環境下で不安定
・効果が早く、長時間作用するため、逆流性食道炎の治療期間は通常4週間
タケプロンは通常8週間
・ピロリ菌の一次除菌率が92.6%と高い。
タケプロンは75.9%
・CYP2C19の影響を受けにくいため、個人差が生じにくい。
タケプロンは主にCYP2C19とCYP3A4で代謝。タケキャブはCYP3A4がメイン。(一部CYP2B6,CYP2C19の代謝を受ける)
非常に切れ味のするどい薬のため、再燃再発を繰り返す逆流性食道炎の患者さんやピロリ菌除菌での処方が増えることが予想されます。
個人的にはマウス・ラットのがん原性試験において長期間(2年間)投与時の肝臓腫瘍が認められたことが少し気になりました。(マウスで13倍以上、ラットで58倍以上)
薬は諸場の刃。
よく効く薬にはそれなりのリスクがあることを頭にいれておく必要があるでしょう。
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