『せん妄』と『認知症』の臨床的特徴について

この記事を書いた人

加納裕介(かのうゆうすけ)

株式会社ケイファーマ 代表取締役
MRファーマシスト 運営代表
薬剤師

『せん妄』とは身体疾患が原因となって意識がぼんやりとした状態となり、錯覚や幻覚、妄想、興奮などが加わった状態がせん妄の特徴的な症状です。せん妄は、認知症と似ているので間違われることもありますが、それぞれ本質的には異なります。

せん妄と認知症の最も大きな違いは発症様式で、せん妄は急性、認知症特にアルツハイマー型では潜行性に発症し緩徐に進行します。

また、せん妄は夜間に増悪することが多く、夜間せん妄とも言われます。注意力の散漫という形での意識障害と幻視および運動不穏はせん妄の三徴と言われています。

せん妄と認知症の違い

せん妄の原因として様々なものがあります。

・アルコール・薬物または薬物中毒
・感染症、特に肺炎と尿路感染症
・脱水状態および代謝異常
・感覚遮断
・心理的ストレス

せん妄を誘発する可能性のある主要な薬剤は理解しておくべきでしょう。

・抗パーキンソン病薬、抗コリン薬、抗不安薬、抗うつ薬
・循環器用薬:ジギタリス、βブロッカー、利尿薬
・H2受容体拮抗薬
・抗癌剤
・ステロイド

高齢者の場合、特に頻尿や尿失禁に対して使用される抗コリン薬や胃潰瘍、胃炎に用いられるH2ブロッカーは見逃されやすいので注意しましょう!!

 

この記事を書いた人

加納裕介(かのうゆうすけ)

株式会社ケイファーマ 代表取締役
MRファーマシスト 運営代表
薬剤師

30歳で製薬会社のMRを辞め、2015年4月より念願の経営者として薬局運営を始める。
薬局経営とともに、『MRファーマシスト』(MR経験を持つ薬剤師を意味する)を提唱しWEBサイトやSNSを駆使したゲンバ目線の情報発信は注目を集め【ミクス】・【デキル管理薬剤師ラボ】で連載も持つ。
2016年からは本気で薬局を開局したい人を対象に『独立開局成功塾』を東京・大阪の2拠点で開催しており、夢を持つ若手薬剤師に独自の経営ノウハウを惜しみなく提供している。

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