「グレープフルーツは避けて下さい」
薬情によく記載されている文章のため、現場で働く薬剤師の方であれば、患者さまから「グレープフルーツの影響」について質問を受けた事はあると思います。
特にCa拮抗薬ではノルバスクやアムロジンなどのアムロジピン製剤はグレープフルーツの影響が低いことから説明を省略し、薬情を見た患者さんが不安になって相談を受けるといった事もあるのではないでしょうか。
では各Ca拮抗薬とグレープフルーツとの相互作用についてAUC、Cmaxの変化をみていきたいと思います。
上記表から、アムロジピンやジルチアゼムではほとんどグレープフルーツの影響を受けないことが分かると思います。
一方、バイミカートではAUCは198~455%上昇、Cmaxが306~492%上昇するため血圧低下によるふらつきや頭痛、顔面紅潮など副作用の発現が問題になるでしょう。
Ca拮抗薬の説明書に沿って「グレープフルーツは禁止」と画一的に説明するのではなく、各薬剤との影響を頭に入れて、個々のライフスタイルに応じた説明が必要となりそうです。
なぜ、グレープフルーツがCa拮抗薬と併用注意なのか?
メカニズムについて簡単に説明したいと思います。
グレープフルーツの中にはフラノクマリン類と呼ばれる化合物が含まれており、これが小腸上皮のCYP3A4の機能を阻害します。CYP3A4が阻害されることで基質薬物の血中移行量が増大し、作用や副作用が増強されてしまうのです。
なお、グレープフルーツジュースによる代謝酵素阻害は経口投与した場合に限り発現するため、静脈内注射により直接血中に入れられた薬物に関してはこの相互作用は考えなくて良いといわれています。
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