スピリーバ吸入用カプセルの処方を受けた時の注意点

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

スピリーバ(一般名:チオトロピウム臭化物水和物)はムスカリンM3受容体を選択的に阻害することで気管支を長時間拡張させます。

スピリーバにはハンディヘラーという専用吸入器を使って吸い込む吸入カプセルタイプと、レスピマットという噴霧タイプが存在します。

「レスピマットを受けていた薬局で急にカプセルの処方を受けた・・。」
「他院からの継続処方で吸入カプセルの処方をはじめて受けた・・・。」

このようにスピリーバ吸入用カプセルが処方された場合、
薬局薬剤師はどのようなことに気をつければいいのでしょうか?

私自身の経験をもとにスピリーバ吸入用カプセルの処方を受けたときに注意するべきポイントをまとめました。

7カプセルで1シートのため7の倍数で処方

スピリーバ吸入用カプセルは7カプセルが1シートに入っています。

3カプセルと4カプセルで真ん中でカットできるようになっていますが、1〜7の順番がシートに表示されています。

そのためスピリーバ吸入用カプセルが処方される場合、

  • 7カプセル
  • 14カプセル
  • 21カプセル
  • 28カプセル

などの7の倍数で処方してもらうことが望ましいと考えられます。

シートを開封してお渡しすることは避けないといけません。

たとえば、30カプセルのうち、2カプセルのみシートから出して渡すということは避けて、処方元に疑義照会をし7の倍数に処方変更してもらうようにすることをオススメします。

10カプセルで処方があった場合、
7カプセル1シートと、3カプセル分の半分を切り取ってお渡しすることもできますが、患者さんを困惑させる可能性もありますので、私なら疑義照会で14カプセルか7カプセルに変更してもらうでしょう。

25度を超えない場所で保管

スピリーバ吸入用カプセルの保管は25度を超えない場所で保管しなければいけません。

そのため薬局では冷蔵庫で保管が無難でしょう。

患者さんへは、25度を超えなければ部屋での保管で問題ないこと、冷蔵庫に保管する際は凍結に注意するよう指導しましょう。

ハンディヘラーの交換時期

スピリーバ吸入用カプセルには吸入器のハンディヘラー付のものと、カプセルのみの包装が存在します。

ハンディヘラーは破損がなければ1年程度は使用できますので、一人の患者さんに対して毎回ハンディヘラーが入ったものを注文しなくても問題ないと考えられます。

吸入後のうがいについて

吸入ステロイドの場合、口腔カンジダ防止のため「うがいをすること」となっていますが、
抗コリン薬であるスピリーバは必ずしもうがいの必要はないとされています。

しかし、うがいをすることで口渇の副作用が軽減できることもありますので、口渇が気になるような患者さんにはうがいを勧めてみるとよいでしょう。

高齢者でうがいが難しい場合は、お茶やお水を飲むだけでも問題ないと考えられます。

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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