ジスロマック(アジスロマイシン)の適応について

この記事を書いた人

今井雄基(いまいゆうき)

株式会社倉敷健康企画
管理薬剤師 認定実務実習指導薬剤師
岡山県出身

こんにちは、メディカルライターの今井です。

アジスロマイシン錠の適応について考えてみたいと思います。

アジスロマイシンの内服薬には下記の用法、用量が設定されていることをご存じでしょうか?

  • 1000mg分1  1日間
  • 500mg分1 3日間
  • 250mg分1 5〜6日間

特に「1000mg分1 1日分」のケースは知っておかなければ、患者さんを不快にさせてしまう可能性があります。
それぞれの用法・用量について解説していきます。

アジスロマイシン1000mg分1 1日分のケース


アジスロマイシン水和物錠250mg  
4錠

1日1回 1日分

 

先日、上記の処方を受けました。

以前にもこの処方で投薬したことがあったのでピンと来たのですが、

1000mg分1の1日処方は尿道炎、子宮頸管炎に対する用法・用量です。

泌尿器科受診の成人男性だったため、尿道炎だろうと確認した所、その通りでした。

これは海外臨床試験の体内動態試験を元に、アジスロマイシン1000mgを1回経口投与することにより、アジスロマイシン感性のトラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)に対して有効な組織内濃度が約10日間持続することが予測される、というものです。

尿道炎のケースは特に服薬指導の際にプライバシーに配慮する必要があります。

アジスロマイシン500mg 分1 3日分のケース


アジスロマイシン水和物錠250mg  
2錠

1日1回 3日分

 

上記のように、内科、耳鼻科等で処方される用法・用量は下記の適応となります。

深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

これは海外臨床試験の体内動態試験を元に、アジスロマイシン500mgを1日1回、3日間経口投与することでアジスロマイシン感受性の細菌に対して有効な組織内濃度が7日間持続することが予測される、というものです。

アジスロマイシン250mg分1 5〜6日分のケース


アジスロマイシン水和物錠250mg  
1錠

1日1回 5日分

 

上記の処方は骨盤内炎症性疾患に対する用法、用量と考えられます。

この用法、用量で処方を受けた場合は今回の処方投与前にアジスロマイシン注射剤の投与が行われているかどうか確かめる必要があります。

通常はアジスロマイシン注射剤を1〜2日投与後、アジスロマイシン250mgの内服に切り替わります。
注射剤+内服薬の総投与期間は7日間となっています。

この記事を書いた人

今井雄基(いまいゆうき)

株式会社倉敷健康企画
管理薬剤師 認定実務実習指導薬剤師
岡山県出身

実習先の薬局で在宅医療に興味を持ちそのまま就職、2009年より現職。
調剤、在宅医療、OTCなど地域密着薬局での経験を元に現場に役立つ情報を発信してまいります。

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