重複投薬・相互作用防止加算について~2016年調剤報酬改定に向けて

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

残薬

500億円。

これは何の数字がわかりますでしょうか??

家庭に残る薬は日本全国で500億円に上ると言われています。

このような背景もあり、2016年春より「かかりつけ薬局制度」が導入されることが決まり、重複投与、相互作用のチェックだけでなく「残薬」のチェックが次回の調剤報酬改定のテーマとなりそうです

現在、「残薬の確認」でフィーがつくのは、「重複投薬・相互作用防止加算」になります。2015年現在の「重複投薬・相互作用防止加算」についておさらいしておきましょう。

・併用薬との重複投与、併用薬および飲食物の相互作用について疑義照会し処方の変更があった場合 ・・・防A 「20点」

・処方変更がなかった場合・・・防B 「10点」

が算定できることとなっています。(2015年現在)

2016年より防Bは廃止され、防Aが20点から30点に変更になります。(2016年2月追記)

・関連記事
重複投薬・相互作用等防止加算の算定要件は?2016年調剤報酬改定

また残薬を確認し、処方の削減があった場合も「防A20点」の算定が可能となっています。(2015年現在)
※残薬確認の結果、処方の短縮がなかった場合「防B」の算定はできません。

改定があるからといって取り組むことは、本末転倒だと思いますが、残薬の確認は患者さんにとっても下記のようなメリットがあります。

・経済的負担の軽減に繋がる。
・薬の整理に繋がる。
・オーバードーズを防ぐことに繋がる。
・患者さんとのコミュニケーションに繋がる。

是非明日からの服薬指導で「お家にお薬は残ってませんか?」と聞いてみてはいかがでしょう。

意外と多くの方が、

「昼のが余ってるわ~」
「胃薬はほとんど飲んでない」

といった「残薬あり」の回答があるのではないでしょうか。

残薬を確認し処方削減があったにも関わらず「防A」を算定していない薬局が僕の周りでは多い傾向にあります。

きっちりと価値を提供したことに対しては正々堂々とフィーを算定することが、結果的に薬剤師の貢献度の見える化に繋がると思っています。

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2016年調剤報酬改定~基準調剤加算・かかりつけ薬剤師制度導入へ

重複投薬・相互作用等防止加算の算定要件は?2016年調剤報酬改定

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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