eGFR

この記事を書いた人

ヒロ

薬剤師
日本薬剤師研修センター認定薬剤師
日病薬病院薬学認定薬剤師
認定褥瘡薬剤師

糸球体濾過量のことをGFR(glomerular filtration rate)といいます。

血清クレアチニン値(Cr)年齢性別からおおよそのGFRとして、18歳以上であれば推算糸球体濾過量(eGFR)を計算できます。
「e」は「estimated」の頭文字です。

eGFRは『どのくらい腎臓に老廃物を尿へ排泄する能力があるか』を示しており、この値が低いほど腎臓の機能が低下しているということになります。

eGFRの計算式

eGFR(mL/min/1.73m2)=194×Cr-1.094×年齢(歳)-0.287     
*女性は×0.739

ただし、このeGFRは慢性腎臓病(CKD)の重症度分類にのみ用います
理由は、下記の『薬物治療でGFRを用いるときの注意点』で解説します。

基準値

60mL/min以上

詳細の分類についてはこちらに記載しています。
慢性腎臓病(CKD)の定義・原因・治療について

GFRが低下している場合に疑われる状態

慢性腎臓病(CKD)

薬物治療でGFRを用いるときの注意点

eGFRには、mL/min/1.73m2mL/min2種類の単位があります。

  • mL/min/1.73m2CKD重症度分類に用いられ標準化eGFRと呼ばれる。
  • mL/minは患者ごとの薬物投与設計に用いられ個別化eGFRと呼ばれる。

1.73m2は170cm、63kgのような標準体型の体表面積です。
eGFR(mL/min/1.73m2)では体格を標準体型に補正することで、標準体型を基準に腎機能を評価します。
このため、CKD重症度分類に用いられます。

しかし患者さんは標準体型の人ばかりではありません。
痩せた高齢者や長期臥床状態などの場合はそれぞれの体格を考慮して投与量を設定する必要があります。

そこで、薬物投与設計では標準体型の補正を外した患者ごとの個別のeGFRを用います

例外にはなりますが、抗菌薬・抗がん剤などで投与量がmg/kg、mg/m2となっている場合は薬物投与設計に標準化eGFR(mL/min/1.73m2)を使います。

検査値を確認する際は、eGFRの単位に特に注意しなければいけません。

参考 
腎機能に応じた投与戦略~重篤な副作用の防ぎ方~ 向山政志、平田純生

この記事を書いた人

ヒロ

薬剤師
日本薬剤師研修センター認定薬剤師
日病薬病院薬学認定薬剤師
認定褥瘡薬剤師

新潟薬科大学薬学部を卒業後、地元の病院に就職。
回復期と慢性期の薬物療法を医師とともに実践中。
中小病院ならではのオールラウンダーな業務に日々邁進中。
今は認定取得に向けて勉強中です。

記事作成のサイトポリシーについてはコチラ

この投稿者の最近の記事

「ヒロ」のすべての投稿記事を見る>>

コメント欄ご利用についてのお願い

  • 薬剤師、薬学生、調剤事務、医師、看護師といった医療に携わる方が使用できるコメント欄となります。
  • 「薬剤師の集合知」となるサイトを目指していますので、補足・不備などございましたらお気軽に記入いただけると幸いです。
  • コメントの公開は運営者の承認制となっており「他のユーザーにとって有益な情報となる」と判断した場合にのみ行われます。
  • 記事に対する質問は内容によってお答えできないケースがございます。
  • 一般消費者からの薬学、医学に関する相談や質問は受けつけておりません。

CAPTCHA


※コメントはサイト管理者の承認後に公開されます

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」のFacebookページに「いいね!」をすると、薬剤師が現場で活躍するために役立つ情報を受け取ることができます。ぜひ「いいね!」をよろしくお願いします。

お客様により安全にご利用いただけるように、SSLでの暗号化通信で秘匿性を高めています。

ページトップに戻る