あらかじめ在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、保険薬剤師が患家を訪問して、薬学的管理及び指導を行った場合に『在宅患者訪問薬剤管理指導料』もしくは『居宅療養管理指導料』の算定ができます。
では『在宅患者訪問薬剤管理指導』と『居宅療養管理指導』はどう違うのでしょうか??
『在宅患者訪問薬剤管理指導』は医療保険法に基づく制度であり、『居宅療養管理指導』は介護保険法に基づく制度になります。
算定基準に違いはありますが、同様のサービスとなります。
健康保険法第55条で、医療保険と介護保険で同様のサービスが行われる場合、介護保険が優先されることになっています。
よって、『在宅患者訪問薬剤管理指導料』を算定する場合は、患者などに介護保険の有無を確認し、介護認定を受けている場合は介護報酬の『居宅療養管理指導』を算定することになります。
在宅患者訪問薬剤管理指導 | 居宅療養管理指導 | |
保険 | 医療保険 | 介護保険 |
薬局薬剤師 | 1.単一建物診療患者1人 650点 2.単一建物診療患者2〜9人 320点 3.1,2以外 290点 |
1.単一建物居住者1人 509単位 2.単一建物居住者2〜9人 377単位 3.1,2以外 345単位 |
麻薬管理指導加算 | 100点 | 100単位 |
乳幼児加算 | 100点 | |
事業者の指定 | 申請が必要 健康保険法第65条 |
みなし指定 介護保険法第71条 |
算定する際の届出 | 事前に必要 地方厚生局 |
事前に必要 審査支払機関 |
算定要件 | 薬局から患家の距離が16km以内 | |
保険薬剤師1人1週間40回まで | ||
1.算定する日の間隔は6日以上あける(2のケースを除く) | ||
2.末期の悪性腫瘍の患者及び中心栄養静脈の対象患者は週2回かつ月8回まで |
※2019年10月 消費税増税に伴う介護保険変更反映
医療保険の「単一建物診療患者の人数」の定義は患者が居住する建築物に居住人のうち、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する者の人数です。
ただし、以下の場合は単一建物診療患者の人数が「1人」とカウントされます。
2018年の介護報酬改定で「同一建物」から「単一建物」に名称が変わりました。
同一建物居住者の人数とは利用者が居住する建築物にて同一日に指導を行う場合の利用者数で、単一建物居住者の人数とは同一月に指導を行う場合の利用者数のことです。
つまり2017年度以前のように日を分けて「診察→処方せん発行」によって高い点数を算定することができません。
医療保険側も同様に「同一建物」から「単一建物」に名称が変わっています。
※薬剤師1名につき1週間40回までの1週間のカウント開始曜日は日曜日。
「在宅患者訪問薬剤管理指導料」または「居宅療養管理指導料」を算定した月には、薬剤服用歴管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料、外来服薬支援料、服薬情報等提供料は算定できません。
ただし薬剤服用歴管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料については、薬学的管理指導計画と別の疾病や負傷などの臨時処方の場合は算定可能となります。
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