【CYP3A4阻害薬一覧】CYP3A4を強く阻害する薬剤のまとめ

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

薬物代謝酵素のシトクロムP450。
通称、CYP(シップ)と呼ばれますが、その中でも多く関与するのがCYP3A4です。

CYP3A4で代謝される薬剤が多いことからも、CYP3A4を阻害する代表的な薬剤については要注意薬剤として頭に入れておくとよいでしょう。

以下にCYP3A4を強く阻害する代表的な薬剤と併用禁忌薬についてまとめてみました。

CYP3A4を阻害する薬剤一覧・併用禁忌薬

イトラコナゾールと併用禁忌薬

商品名
イトリゾール

併用禁忌薬
以下にイトラコナゾールとの併用禁忌薬をピックアップしました。
全て、イトラコナゾールがCYP3A4の代謝を阻害することで、血中濃度が上昇するため禁忌となっています。
カッコ内は商品名。

・ピモジド(オーラップ)
・キニジン(硫酸キニジン)
・ベプリジル(ベプリコール)
・トリアゾラム(ハルシオン)
・シンバスタチン(リポバス)
・アゼルニジピン(カルブロック、レザルタス配合錠)
・ニソルジピン(バイミカード)
・エルゴタミン(クリアミン配合錠)
・ジヒドロエルゴタミン(ジヒデルゴット)
・エルゴメトリン(エルゴメトリンマレイン酸塩注)
・メチルエルゴメトリン(メテルギン)
・バルデナフィル(レビトラ)
・エプレレノン(セララ)
・ブロナンセリン(ロナセン)
・シルデナフィル(レバチオ)
・タダラフィル(アドシルカ)
・アスナプレビル(スンベプラ)
・バニプレビル(バニヘップ)
・スボレキサント(ベルソムラ)
・アリスキレン(ラジレス)
・ダビガトラン(プラザキサ)
・リバーロキサバン(イグザレルト)
・リオシグアト(アデムパス)

また併用注意にはアトルバスタチン(リピトール)やワルファリンカリウム(ワーファリン)などよく使用される薬剤がありますので、イトラコナゾールが処方された場合には、併用薬に問題ないか確認しましょう。

クラリスロマイシンと併用禁忌薬

商品名
クラリス、クラリシッドなど

併用禁忌薬
・ピモジド(オーラップ)
・エルゴタミン(エルゴタミン酒石酸塩,ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩) 含有製剤 (クリアミン,ジヒデルゴット)
・タダラフィル(アドシルカ)
・アスナプレビル(スンベプラ)
・バニプレビル(バニヘップ)
・スボレキサント(ベルソムラ)

クラリスロマイシン製剤はよく風邪の際に処方される薬剤ですので、併用禁忌のスルーがないように要注意しなければいけません。

エリスロマイシンと併用禁忌薬

商品名
エリスロシン

併用禁忌薬
・エルゴタミン(エルゴタミン酒石酸塩,ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩)含有製剤 (クリアミン、ジヒデルゴット等)
・ピモジド (オーラップ)
・アスナプレビル (スンベプラ)

シメチジンと併用禁忌薬

商品名
タガメット

併用禁忌薬はないですが、ワルファリン製剤やニフェジピン(商品名:アダラート)、トリアゾラム(商品名:ハルシオン)などが併用注意となっています。

ベラパミルと併用禁忌薬

商品名
ワソラン

併用禁忌はありませんが、カルバマゼピン(商品名:テグレトール)、シクロスポリン(商品名:ネオーラル)などに併用注意となっています。

リトナビルと併用禁忌薬

商品名
ノービア

併用禁忌薬
・キニジン硫酸塩水和物(硫酸キニジン)
・ベプリジル塩酸塩水和物(ベプリコール)
・フレカイニド酢酸塩(タンボコール)
・プロパフェノン塩酸塩(プロノン等)
・アミオダロン塩酸塩(アンカロン等)
・ピモジド(オーラップ)
・ピロキシカム(フェルデン等)
・アンピロキシカム(フルカム等)
・エルゴタミン酒石酸塩(クリアミン)
・ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット等)
・エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリン)
・メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(メテルギン等)
・エレトリプタン臭化水素酸塩 (レルパックス)
・バルデナフィル塩酸塩水和物 (レビトラ)
・シルデナフィルクエン酸塩 (レバチオ)
・タダラフィル(アドシルカ)
・アゼルニジピン(カルブロック等)
・リファブチン(ミコブティン)
・ブロナンセリン(ロナセン)
・リバーロキサバン(イグザレルト)
・ジアゼパム(セルシン等)
・クロラゼプ酸二カリウム(メンドン)
・エスタゾラム(ユーロジン等)
・フルラゼパム塩酸塩 (ダルメート等)
・トリアゾラム(ハルシオン等)
・ミダゾラム(ドルミカム等)
・リオシグアト(アデムパス)
 
以上がCYP3A4阻害により血中濃度が上昇するため禁忌となっています。また、ボリコナゾール(商品名:ブイフェンド)はリトナビルが代謝酵素(CYP2C19及びCYP2C9)を誘導するため禁忌となっています。

この記事を書いた人

伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

記事作成のサイトポリシーについてはコチラ

この投稿者の最近の記事

「伊川勇樹」のすべての投稿記事を見る>>

コメント欄ご利用についてのお願い

  • 薬剤師、薬学生、調剤事務、医師、看護師といった医療に携わる方が使用できるコメント欄となります。
  • 「薬剤師の集合知」となるサイトを目指していますので、補足・不備などございましたらお気軽に記入いただけると幸いです。
  • コメントの公開は運営者の承認制となっており「他のユーザーにとって有益な情報となる」と判断した場合にのみ行われます。
  • 記事に対する質問は内容によってお答えできないケースがございます。
  • 一般消費者からの薬学、医学に関する相談や質問は受けつけておりません。

CAPTCHA


※コメントはサイト管理者の承認後に公開されます

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」のFacebookページに「いいね!」をすると、薬剤師が現場で活躍するために役立つ情報を受け取ることができます。ぜひ「いいね!」をよろしくお願いします。

お客様により安全にご利用いただけるように、SSLでの暗号化通信で秘匿性を高めています。

ページトップに戻る